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授業目標 |
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臨床心理学とは、米国心理学会(APA)の定義によれば、「科学理論、実践を統合して、人間行動の適応調整や人格的成長を促進し、さらには,不適応、障害、苦悩の成り立ちを研究し、問題を予測し、そして問題を軽減、解消することを目指す学問である」とされています。近年、人間関係の複雑化、あるいは、親子関係の希薄化などにより、様々な心の問題を抱えている人々が増加しています。このような心の問題を抱えている人々を対象として理論的に研究したり、援助の技法について研究し、さらに、そこで得られた知見をもとにさまざまな技法を用いて援助する実践活動を含んでいます。 将来、医療現場において柔道整体師として、対人コミュニケーションを行いながら治療を行うためには、このような人間の心理に関する基本的知識をもち、それらを基にして人々を理解していくことが不可欠です。 そこで、この授業では心理的な援助のための基本的な知識、および、その技法について学び、さらに、専門家として心理的な援助をすることがどういうことなのかを正しく理解できることを目標とします。
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授業概要 |
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心理学、哲学、精神分析、精神医学といった心の科学や、それらの知見に基づいた援助方法について概観します。そして、援助する対象のメンタルヘルスをより良くするために、実際の臨床場面において援助者に対して何ができるのかについて考えてゆきます。 各回の授業は講義を聞いたり、ビデオを視聴したり、実習やそれに関するレポート作成、ディスカッションなどを行います。
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準備学習(授業時間外の学習) |
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事前にテキストを十分に読んできてください。そして、専門用語の意味について調べておいてください。
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授業計画 |
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【第1回】授業のオリエンテーション 授業内容の概要について説明します。 【第2回】臨床心理学とはなにか 臨床心理学とはどういう学問かを解説します。 【第3回】ライフサイクル① 乳幼児期~思春期の発達の特徴について学びます。 【第4回】ライフサイクル② 青年期~老年期の発達の特徴について学びます。 【第5回】心理アセスメント テストを体験し心の状態がどう反映されるかを学びます。 【第6回】心の病について 代表的な心の病について学びます。 【第7回】カウンセラーとセラピストの役割 カウンセラー、セラピストという役割について学びます。 【第8回】カウンセリングと心理療法① 実習を通して心理学的援助の意義について学びます。 【第9回】カウンセリングと心理療法② 実習を通して心理学的援助の基本姿勢を学びます。 【第10回】カウンセリングと心理療法③ 実習を通して実践場面を想定して基本姿勢を学びます。 【第11回】カウンセリングと心理療法④ 精神療法の技法について学びます。 【第12回】臨床現場でのコラボレーションについて チームでの対人援助について学びます。 【第13回】援助者の職業倫理 専門職に求められるスタンスについて考えます。 【第14回】モーニングワークについて 別れ、対象喪失にともなう心理過程について学びます。 【第15回】授業のまとめ 後期分の授業の総括を行います。
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成績評価の方法、基準 |
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心理的な援助のための基本的な知識について正しく理解でき、専門家として心理的な援助をすることについての理解を深めることが合格基準になります。 授業成績は受講態度と、毎回のレポート作成と作成したレポートの発表、ディスカッションによって評価します。
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使用テキスト及び使用教材 |
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『プロカウンセラーの聞く技術』、東山紘久著、創元社
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その他 |
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