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授業目標 |
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アジアでは各地域で特色ある個性を備えた文明や文化が栄えました。古代に成立したそれらの原型は、中世に制度化が進み、近世に至り「伝統的」社会・文化として成熟し、時代の変遷のなかで連続と断絶とをはらみつつ近代国家にまで受け継がれてきています。この講義では古代から近世に至るアジアの「前近代史」すなわち各地域での個性豊かな「伝統社会・文化」の確立過程を概観します。
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2. |
授業概要 |
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アジア各地域の「前近代史」を近代国家からなる現代世界との関わりのなかで学び、「伝統」と現在とを複眼的にとらえなおし、併せて「歴史の語られ方」を通し現代の相対化に繋がる視点を獲得することをめざします。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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予習・復習を行うことを前提に授業を行います。事前の予習により基本的事実を把握し、授業を通してテーマのコンセプトに触れ、復習として紹介された参考文献などを通じ各自で理解を深めることが必要です。その点では復習に重点を置くようにすることをお勧めします。 各回毎の具体的に参照してもらいたい文献については授業初回に指示します。
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4. |
授業計画 |
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第1回 イントロダクション:「東洋史」の射程と範囲 第2回 地域単位と伝統社会 第3回 「文明のあけぼの」と現在 第4回 中央ユーラシア:「遊牧国家」の萌芽 第5回 「文明のあけぼの」の現在 第6回 東アジア①:「中国世界」の形成と展開 第7回 東アジア②:「中華世界」の拡大 第8回 東南アジア世界① 第9回 東南アジア世界② 第10回 南アジアと海世界 第11回 海世界と西アジア 第12回 イスラムとユーラシア 第13回 アジアの近世「帝国」 第14回 中東/イスラム世界 第15回 総まとめ(予定)
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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期末試験(85%)及び平常点(15%)より評価します。平常点は出席確認を兼ねたレスポンスペーパーより判断します。
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使用テキスト及び使用教材 |
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教科書は特に指定しません。授業時に必要な資料は配布し、関連文献を随時紹介します。 授業全体の枠組み理解を助けるために以下の文献を挙げておきます。予習・復習に役立ててください。 『グローバル時代の世界史の読み方』(歴史文化ライブラリー183) 宮崎正勝,吉川弘文館,2004年 『世界単位論』(学術選書049) 高谷好一,京都大学学術出版会,2010年 『アジアの歴史 東西交渉からみた前近代の世界像』(岩波現代文庫) 松田壽男,岩波書店,2006年 『アジアの歴史』藤家禮之助(編),南雲堂,1992年
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7. |
その他 |
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授業を通して各自関心を持った事項については図書館の活用等を通じ自主的な学習を期待します。 授業中の私語は慎んでください。 また、資料は原則その該当時間内のみ配布のため注意してください。
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