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授業目標 |
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地球という惑星が成立して以来の地球環境の過去・現在の変化に伴う生命の歴史を理解し、未来の地球環境の変化に備え、持続的社会にむけた「エネルギー・水資源」などに関する技術の進歩についての理解を深めていきます。 授業は講義中心に進めますが、講義内容から選抜した項目をまとめるレポートの提出を義務付けます。科学的文書の記述の基本や、論理的な記載のコツを指導することにより、論理的な記述力の向上を目指します。
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授業概要 |
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次のような内容を学習します。 (1)地球環境の過去と現在について、地球史46億年を概観。 (2)地球史の変遷からみた化学進化、生命誕生、生命進化の歴史、その根拠となる現象の発見。 (3)分子生物学的な知見や最新の生命史に関する諸学説。 (4)生物進化と地球環境の未来予測にもとづく、持続的社会にむけた我々現代人の技術進歩への取り組み。
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準備学習(授業時間外の学習) |
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本講義は、バイオサイエンス学科の専門科目としての内容を含む科目ですので、次の項目をあらかじめ準備学習として習得しているものとして講義を進めます。 (1)受講者は、原則として高校で生物学を履修しており、バイオサイエンスや環境科学に関する事象に興味関心を持ち、科学読み物の書籍や新聞の科学記事等を日常的に読むことを習慣としていることが望ましい。 (2)下記の参考図書を通読してください。 「生命と地球の歴史」岩波新書543、丸山茂徳、磯崎行雄著(2004年、岩波書店) (3)毎回の授業終了時に示す課題について、図書館等で調べ学習をした上でレポートを作成して提出してください。
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授業計画 |
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以下の内容を講義します。 【第1回】 地球環境の過去と現在(1)人類が直面している問題点、惑星としての地球環境の特徴、地球生命体の特徴 【第2回】 地球環境の過去と現在(2)動的地球観、プレートテクトニクスとプルームテクトニクス、地球の誕生仮説 【第3回】 地球環境の過去と現在(3)地球史七大事件前半、現代文明を支える資源と進化・地球環境 【第4回】 地球環境の過去と現在(4)地球史七大事件後半、新しい地球観 【第5回】 生命進化(1)進化論概観、進化論から中立説へ、進化の基本原理 【第6回】 生命進化(2)生命誕生以前、有機物誕生仮説、分子進化、化学進化(前半) 【第7回】 生命進化(3)化学進化(後半)、RNAワールド、オブセル仮説 【第8回】 生命進化(4)生物界の大分類、原核生物の成立、光合成の成立と地球環境の大変動 【第9回】 生命進化(5)真核生物の誕生仮説、オルガネラ共生仮説、多様な光合成生物 【第10回】生命進化(6)葉緑体の起源、一次植物、二次植物、ハテナの生活環 【第11回】生命進化(7)新しい遺伝子を生み出す仕組み、真核生物のビッグバン、単細胞から多細胞生物へ 【第12回】生命進化(8)生命と地球の共進化、地球環境変化と生物大量絶滅 【第13回】持続的社会にむけた技術の進歩(1)地球環境の未来予測、気候変動の法則性、生物の未来予測、人類の進化と世界人口の近未来予測 【第14回】持続的社会にむけた技術の進歩(2)水資源、上下水道浄化の原理、海洋環境保全、海水淡水化 【第15回】持続的社会にむけた技術の進歩(3)新エネルギー、バイオエネルギーに託す未来社会
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成績評価の方法、基準 |
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・課題についてのレポート提出を数回義務づけます。 ・期末試験では、教科書の該当範囲、配布資料をもとに口頭で説明した講義内容、および板書した項目を試験範囲として出題します。 ・成績評価は、レポートの評価、および期末試験の結果の合計が60%以上を合格とします。再試は行いません。 ・2/3以上の出席に満たない学生の定期試験受験は認めません。
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使用テキスト及び使用教材 |
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教科書:『地球生物学-地球と生命の進化』池谷仙之・北里洋著(2004年、東京大学出版会)ISBN4-13-062711-2<3,000円税別> 参考書: 1.井上勲著、藻類30億年の自然史—藻類からみる生物進化、東海大学出版会、2006. 2.丸山茂徳、磯崎行雄著、生命と地球の歴史:岩波新書543、岩波書店、2004. 3.Meadows, Meadows, and Randers, 2004, A Synopsis Limits to Growth: The 30-Year Update (日本語訳「成長の限界 人類の選択」、枝廣淳子訳、ダイヤモンド社、2005)
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7. |
その他 |
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・講義の最初にレポートを返却し、科学的文書記述のポイントを解説しますので、遅刻は謹んでください。 ・30分以上経過して入室した学生の聴講は認めますが、欠席とします。 ・教科書には記載されていない重要な資料(図と表のみ)を毎回大量にプリントして配布しますので、必ず専用のファイルを用意し、ひとまとめにファイリングし、毎回必ず全ての資料を持参してください。以前に配布した資料を講義で何度も使用します。
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