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授業の内容(Course Description) |
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観光とは楽しく、かつ、今日では多くの人にとって身近な活動であり、学生諸君も子供の頃からいろいろな機会に観光に親しんで来られたと思う。しかし、ひとたび観光を真面目に考えようとすると、そもそも観光とは何かという疑問が生じる。楽しみのための旅行であるとの簡潔かつ的確な定義がある。何が楽しいかは人それぞれであり、また時代によっても変化する。その意味では何でも観光の種になる。これが観光を捉えどころのないものにしていると同時に、観光に変化と発展の可能性を与えている。これが観光を学ぶことの面白さであるとも言える。 観光というこの捉えどころのない、しかし楽しい活動を巡っては、観光を構成する諸要素、観光の社会・経済的意義、観光を支える事業活動・施設整備、観光を巡る制度その他の外部的環境、観光に関する考え方の変化、観光を活用した地域開発の動き等、多くの論点がある。 この授業においては、学問としての観光への入門として、これらの論点について可能な限り広く概観する。 (注)「楽しみのための旅行」との定義は、岡本伸之 編『観光学入門 ポスト・マス・ツーリズムの観光学』2頁。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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観光の諸側面について基本的な知識と理解を得ること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席状況を20%、期末定期試験の結果を80%として総合的に評価する。期末定期試験においては、主として、授業の中で述べたことや、配布したプリントの内容等に関連した出題をし、授業内容の日頃の反芻(はんすう)の度合いや理解度を見させていただく。授業への出席状況は、学生から特段の申し出のない限り、出席管理システムの記録により判定するので、入退室の際のカードリーダーへのタッチを励行されたい。また、授業中の私語等、授業の妨げとなる態度の目立つ学生は、評価を下げる。 なお、期末定期試験の受験は必須であり、これを受験しない場合は、R評価となるのでご注意願いたい。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:特に指定しない。適宜プリントを配布する。 参考文献:向山秀昭 著『三訂 大学生の観光学ノート』国際観光サービスセンター 岡本伸之 編『観光学入門 ポスト・マス・ツーリズムの観光学』有斐閣アルマ 北川宗忠 編著『観光事業論』 足羽洋保 編著『新・観光学概論』ミネルヴァ書房 新井佼一 著『観光振興論』国際観光サービスセンター 井口 貢 編著『観光学への扉』学芸出版社
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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何よりも予習・復習が基本である。特に復習は、授業終了後、記憶が新しいうちに授業内容のポイントを頭の中で整理するようにする。そのためには、走り書きしたノートについて、後で見ても読めるように乱暴な字を書き直したり、ポイントを要約して付記したりする等の整理を行うことも一法である。また、復習の中で、興味を感じた点等につき調べることも自らの勉学方法の確立と理解の深化のために良い。 復習を溜めてしまうと、記憶が薄れ、かつ、分量がいつの間にか膨大になってしまい、試験の前に苦労するので注意すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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(1)皆さんの中には、将来観光関係の業務に就くことを目指している人も多いと思う。いやしくも大学で観光を学ぶ以上、観光実務に関するノウハウに止まらず、観光を取り巻く経済、社会、自然、歴史、文化などの諸要素を広く学び、その中で得た観光に係る深い理解とセンスをバックグラウンドにして、より良い観光について自ら考えながら実務を遂行する人材になっていただきたい。そのような人材があってこそ、我が国の観光の質は向上する。「日本の観光地の競争相手は海外の観光地である。」 (2)前期の「観光学概論Ⅰ」と後期の「観光学概論Ⅱ」とは、内容的にひと続きのものであり、可能な限り両方の講義を通して受講されることをお勧めする。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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授業の状況に応じて適宜、計画を変更することがあり得る。 【第1回】 授業方針及び講義計画、観光というもの 【第2回】 観光というもの 【第3回】・【第4回】 観光事業の概念と特徴 【第5回】・【第6回】 国内観光の動向 【第7回】・【第8回】 海外旅行の動向 【第9回】~【第11回】 訪日旅行の動向 【第12回】~【第15回】 旅行業の制度と経営
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