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授業の内容(Course Description) |
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新文明を構想する最新研究動向をまとめたテキスト『収奪文明から環流文明へ』を用い、その横断的な学習を通じて、近代文明の功罪と限界を浮かび上がらせる。 現代世界は、近代文明共通の限界を抱えている。自然や人間自身に対する過剰な収奪を私たちの文明は克服できていない。ゆがみは、いたるところに現れ、国境を超える。この講義では、一学問分野にとどまらず、学問の垣根を超える学際的アプローチをとり、多様な研究者の文明研究を学ぶ。日本人研究者が、どのような理解や視点をもって未来文明を構想しようとしているのかについても照明をあてる。また、必要に応じ、学習内容を広げるため映像も取り入れる。 受講者は、現代文明のなかで何がすでに寿命を終えており、何が新たに生まれつつあるのか、自分で識別し、人生の営みのなかで判断していくための感性と視点を獲得できるだろう。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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近代の功罪について新文明を構想する最新の研究動向から考察する視座を養う。また、授業内で学んだ内容をふまえながら、自らが独自に考えた感想を交え、1000字以上の考察をまとめる力を身につける。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業参加(60%)、授業内試験(40%)を目安とする。テーマは試験の1~2週間前に発表する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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『収奪文明から環流文明へ―自然と人類が共生する文明をめざして』 伊東俊太郎・染谷臣道編、濱田陽他著、東海大学出版会、2012.10
*本授業受講者は、第2回講義までに必ず購入してください。全講義と授業内試験の両方で使用します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業内容への理解を深めるため、テキストの該当箇所を、授業中に下線を引いた部分を中心に適宜、復習しておく。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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第2回目からテキストを用いて授業を行います。授業にきちんと出席し、講義内容に集中して理解を積み重ねていくことが必要です。また、効果的にテキストに下線を引き、メモをとってください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 新しい文明を求める倫理ー文明の識別力 【第2回】 共有文明ーともにたもつ文明のかたち 【第3回】 共有文明ーともにたもつ文明のかたち 【第4回】 自然文明、環流文明 【第5回】 収奪文明から環流文明へ 【第6回】 文明と自然ー環流文明に寄せて 【第7回】 科学技術はどこで間違えたのかー科学と技術と科学技術の違いから考える 【第8回】 無限のモデルから環流へー技術、象徴、世界と市場への問い 【第9回】 第二期科学技術文明の胎動 【第10回】 工業文明の崩壊後に、人類はどういう文明で生存できるか 【第11回】 アメリカ型収奪文明から環流文明へ 【第12回】 インド的循環のコスモロジーから何を学ぶかー「マンダラ的文明観」からの提言 【第13回】 自然文明の構築に果たす日本文明の貢献 【第14回】・【第15回】 「まとめと期末試験」「期末試験答案返却・全体講評」
*以上の順序は入れ替わる可能性がある。また、研究や社会状況、国際情勢の変化に応じて、新しいトピックを加えることがある。
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