Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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日本文化と哲学 I 濱田 陽
選択  2単位
【日本文化】 13-1-1310-0430-07

1. 授業の内容(Course Description)
 【文化象徴(シンボル)によって日本文化の東アジアにおける個性と共通性を探る】
 十二支動物を中心に日本の動植物の文化象徴の理解(cultural symbols)を通じて、日本文化と東アジア文化のつながりを学ぶ。
 自然の文化象徴は、前近代・近代・ポストモダンの時間の壁と日本列島・朝鮮半島・中国大陸・世界の空間の壁を乗り越え、宗教・思想・文学・生活の全てから素材を得て、日本文化にはかりしれない影響を与えつづけている。文化象徴のプラス面をマイナス面を自覚しながら再評価していけば、東アジアの共存と交流に大きなヒントを与えてくれるだろう。
 【現代生活に伝統文化を生かす感性を磨く】
 何気ない動植物を手がかりに文化の面白さ、奥深さを学びなおすことができる。日常、目にするさまざまなシンボルの意味を掘り下げ、日本文化を現代生活に開いていく感性を養う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 文化象徴を読み解くための基礎的な発想力・読解力を養う。また、授業内で 学んだ内容をふまえながら、自らが独自に考えた感想を交え、1000字以上の考 察をまとめる力を身につける。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業参加(60%)、授業内試験(40%)を目安とする。なお、授業内試験のテーマは試験の1~2週間前に発表する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト・参考文献は講義中で紹介する。必要な資料はプリントで配布する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 後に取り上げる思想家と比較しながら考察を深めるため、先に取り上げた思想家に関する講義ノート・配布資料を順次復習していく。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 きちんと出席し、ノートを取りながら授業に集中して理解を積み重ねていくことが、期末試験のために必要である。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 文化象徴(シンボル)からみる伝統と未来
【第2回】
 蘭―独特な生命力を放つ日本の蘭
【第3回】
 巳―未来を画く生命の蛇
  生命のSCALE
  海・大地・天をつなぐ生命の蛇
  命と環境を守る生命の蛇
【第4回】
 午―東北の人々が愛した馬の伝説
  日本馬の魂を鎮める
  時空を凝縮する絵馬と日本馬
【第5回】
 未―記号の羊が生み出した伝説
  羊の影を日本仏教に求めて
  日本人のひつじへの憧れと文化的変換力
【第6回】
 申―「猿」神話にみる、古代人の創造力の新鮮
  近い親しさの畏敬〜ニホンザルが見守ってきた日本人の信仰
  誇り高く自由なニホンザル
【第7回】
 酉−雄々しい鶏声は神をも動かす
  勇敢な鶏の居るところ
  たまご・ひよこ・恋するニワトリ
【第8回】
 戌―日本列島人の信仰と犬
  日本の古典文学にみる人と犬のコミュニケーション
【第9回】
 亥―山の神としてのイノシシ~人と自然が出会う原風景
  循環する亥~新しい文化交流の象徴として
【第10回】
 寅―海を越えた虎の霊力~日本にいない虎がなぜ日本人の信仰を集めるようになったのか?
  虎の不在がもたらした文学的不幸からの脱却をめざして
【第11回】
 卯―月兎といとおしい希望
  野うさぎと多様なる豊穣のシグナルー日本の宗教・文化のなかの兎
  うさぎたちと日本の近現代
【第12回】
 辰―龍の文明と日本
  ユビキタスな運動体としての龍
【第13回】
 「東アジアの中の日本―文化象徴に表れた個性」
【第14回】・【第15回】
 「まとめと期末試験」「期末試験答案返却・全体講評」
 *以上の順序は入れ替わることがある。また、社会状況、国際情勢の変化に 応じて、新しいトピックを加える。