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授業の内容(Course Description) |
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17世紀のモラビア(現在のチェコ)の思想家コメニウスは、当時の学校が教育の方法論に欠けており「拷問と折檻の場所」となっていると断罪した。彼はそのようにアンチテーゼを突きつけるだけではなく、学校を「楽しく愉快な場所」するために、自ら工夫した教科書である『世界図絵』を作成した。これは史上初の絵入り教科書と評価されているもので、教育におけるマルチメディア的発想の嚆矢と評価することもできる。 振り返って、現在のわが国の教育環境はどうであろうか。技術はある(それを方法論と言ってよいかは別として)。パソコンを初めとする情報機器の恩恵を受け、個人によって実現可能な事柄・領域の射程は限りなく広がった。しかし、何ができるか、ということと、何をなすべきか(何を教えるべきか)は別事である。このことを忘れず、情報洪水と個人で可能になった仮想現実世界の力のもつ幻想的万能感に溺れることなく、教育における情報あるいは情報機器の可能性と限界を具体的に探っていきたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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マルチメディア機器やインターネット上の情報の取り扱いに対するリテラシーをもち、自らの創造性を発揮しつつ,主体的かつ反省的な仕方で教育活動に導入することができるようになること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(レポート課題提出など)60%、期末試験 40%。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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資料は適宜配布し、あわせて参考文献も紹介する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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関連する文献を精読すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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上記の内容を踏まえた上で、講義を聞くだけではなく、それを元にして自分で情報機器(具体的にはパソコン)を操作することで、一人一人の課題を確認し、克服していってほしい。受講生の人数によっては、実習的要素も加味し、個人ごとのプレゼンテーションの機会も設けたい。 ●注意:使用する教室のキャパシティゆえ受講者数を制限することがあるので,受講希望者は必ず第1回の講義に出席すること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 インターネット上の情報の活用(1) 著作権問題とパブリック・ドメイン 【第3回】 インターネット上の情報の活用(2) オンライン上の各種データベース 【第4回】 インターネット上の情報の活用(3) オンライン・ソフトとその利用法について 【第5回】 パソコンの利用(1) 個人用データベースの構築( i ) 【第6回】 パソコンの利用(2) 個人用データベースの構築( ii ) 【第7回】 パソコンの利用(3) 画像ファイルの仕組みと編集( i ) 【第8回】 パソコンの利用(4) 画像ファイルの仕組みと編集( ii ) 【第9回】 パソコンの利用(5) 音声ファイルの仕組みと編集( i ) 【第10回】 パソコンの利用(6) 音声ファイルの仕組みと編集( ii ) 【第11回】 パソコンの利用(7) 動画ファイルの仕組みと編集( i ) 【第12回】 パソコンの利用(8) 動画ファイルの仕組みと編集( ii ) 【第13回】 情報機器の教育現場への導入( i ) 【第14回】 情報機器の教育現場への導入( ii ) 【第15回】 まとめ
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