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授業の内容(Course Description) |
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西洋の教育思想の歴史と理念を学ぶ。教育という概念の変遷、すなわち、今日われわれが教育という言葉のもとに一括りにしてしまっている過去における営みや概念が、当時の人々にとっていかなる意味を持っていたか、またそこではいかなる理想が抱かれていたのかということを探究していきたい。 E. H. Carr の「歴史とは…過去と現代との尽きることのない対話である」という言葉に即して言えば、教育の原理・思想史を学ぶということの意味は、単なる学説史の習得に終わることなく、つねに今日的な課題とのつながりに重点を置いて学ぶということにある。 受講生はすでに教育原理(教育思想史)を学んでいるかもしれないが、そこで学んだ教育思想家の中から幾人かのテキストを選び、さらに探求していきたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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教育学・教育思想の古典を翻訳で読み、現代の教育課題に歴史的・教育哲学的な観点から問題点を見つけ、それに対して論理的な文章を構成することができるようになること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(課題レポート)60%、期末試験 40%。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト: プラトン著『メノン』(岩波文庫) ペスタロッチ著『隠者の夕暮・シュタンツだより』(岩波文庫) デューイ著『学校と社会・子どもとカリキュラム』(講談社学術文庫) これら以外のテキストは適宜プリントを配布する。参考文献はその都度紹介する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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関連する文献を精読すること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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テキストは最初のうち読み進めるのに困難を感じるかもしれないが、「読書百遍意自ずから通ず」を肝に銘じて頑張ってほしい。 なお、第1回の講義開始時に最初に取り組むテキストである『メノン』を持参すること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 ソクラテスの問答法『メノン』(1)~問のずらし、徳の本質特性と偶有性 【第3回】 ソクラテスの問答法『メノン』(2)~外延的定義と内包的定義 【第4回】 ソクラテスの問答法『メノン』(3)~アポリアと無知の知 【第5回】 ソクラテスの問答法『メノン』(4)~想起説とイデアへのエロス 【第6回】 ソクラテスの問答法『メノン』(5)~仮設 (ヒュポテシス)法 【第7回】 ソクラテスの問答法『メノン』(6)~問答法の構造 【第8回】 『世界図絵』と『大教授学』(コメニウス)~汎知学と直観教授法 【第9回】 『エミール』から消極教育の思想(1)~ルソーの文明観 【第10回】 『エミール』から消極教育の思想(2)~事物の教育 【第11回】 ペスタロッチの教育思想『隠者の夕暮れ』他(1)~人間の本質と教育の目的 【第12回】 ペスタロッチの教育思想『隠者の夕暮れ』他(2)~あらゆる関係の基礎としての近き関係 【第13回】 デューイの教育思想『学校と社会』他(1)~児童中心主義とプラグマティズム 【第14回】 デューイの教育思想『学校と社会』他(2)~反省的思考に基づく経験概念 【第15回】 デューイの教育思想『学校と社会』他(3)~教育における仕事の意味
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