Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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欧米文化 I - II 木谷  厳
【Ⅲ】  2単位
【Ⅲ 歴史と文化を学ぶ】 13-1-1334-3221-08

1. 授業の内容(Course Description)
 春期同様、「感受性」および「美的=感性的(エスセティク)なもの」という言葉をキーワードとして、西洋の文学・文化に触れることを目的とします。秋期の授業は、文学とはなにか、文学を読み解くとはどのようなことかという方法論的な問いから出発します。これを起点として、世界有数の移民国家であるアメリカにおいて、20世紀(とくに第二次世界大戦)以降、多くのヨーロッパ系、さらにアジア系の文学者の影響とともに形成された文学研究、文学理論の歴史を概観してゆきます。その際、アメリカの文学研究・文学理論の歴史において、19世紀の詩人シェリーがどのように論じられてきたかという点にも適宜解説することで、それぞれの研究手法の独自性をより明確にすることも試みます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 アメリカにおいて形成されたさまざまな文学研究の手法を知ることで、文学のみならず、あらゆる物事を多角的にとらえ、柔軟なものの見方とともに自分の意見を言語化する力を養うことも目標とします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 講義への積極的な参加(出席・感想カード含む)30%、定期試験70%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 指定テキストは用いず、毎回資料(ハンドアウト)を配布します。
 参考文献:ジョナサン・カラー『文学理論』荒木映子・富山太佳夫訳(岩波書店、2003年)。
      ジョナサン・カラー『文学と文学理論』折島正司訳(岩波書店、2011年)。
      テリー・イーグルトン『詩をどう読むか』川本皓嗣訳 (岩波書店、2011年)。
 その他の参考文献は講義中に適宜指示します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 配布した資料および参考文献をよく読み、講義内容をより深く理解しておくことを望みます。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 英文学に限らず、各国の文学や文学の読み方そのものに興味のある学生の参加を歓迎します。また、授業への積極的な参加・発言を望みます。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
イントロダクション
【第2回】
ロマン主義以後の文学批評と美的=感性的なもの
【第3回】
モダニズムとシェリー――T・S・エリオットによる「感受性の乖離」を中心に
【第4回】
ニュー・クリティシズムと解釈学――アメリカ的ピューリタニズムと精読の伝統
【第5回】
大戦のあと――アメリカに移住するヨーロッパ人文学者たち
【第6回】
ヨーロッパとアメリカの間で――ポール・ド・マン
【第7回】
ド・マン後期の批評――ディコンストラクションと「美的なもの」
【第8回】
中間まとめ
【第9回】
ディコンストラクションの影響 (1)
ジェンダーとセクシュアリティ(前半)
【第10回】
ディコンストラクションの影響 (2)
ジェンダーとセクシュアリティ(後半)
【第11回】
ディコンストラクションの影響 (3)
新しい歴史主義(ニュー・ヒストリシズム)
【第12回】
「占有」と「搾取」の問題――新歴史主義からポスト・コロニアリズム、エコ・クリティシズムへ
【第13回】
21世紀の文学理論――美的=感性的なものをめぐる新たな潮流 (前半)
【第14回】
21世紀の文学理論――美的=感性的なものをめぐる新たな潮流 (後半)
【第15回】
これまでのまとめと筆記試験