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授業の内容(Course Description) |
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この授業の目的は、19世紀から20世紀前半にかけて西洋とアジアとが激しく葛藤する中で、近代日本の知識人がたどった複雑な思想の軌跡を考察することにある。昨年に続いて今年も福沢諭吉を取り上げ、今年はとくに福沢の明治10年代から20年代の著作・論説を考察する。福沢が近代日本を代表する思想家であったことは論を待たない。彼の思想展開を通して、西洋文明の摂取と日本の近代政治・社会への関心とがどのような絡まり合いを示していたかを考えたい。 授業は史料の正確な読みを目標とし、演習形式で行う。 なお、この授業は後期の「アメリカ地域比較史研究」と連動しており、学生は出来れば両者をあわせて受講してほしい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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19世紀半ば以降、西洋化が押し寄せるアジアを舞台に展開した近代日本知識人の思想を、いかに世界史のなかに位置づけるのか。彼らの知的営みを西欧の知と比較しながら検討することにより、近代世界において日本が世界と向き合ってきた思想の軌跡を解明したい。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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学期末に、授業内容に関する試験を行い、成績評価の基本とします。出席状況も重視します
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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主たるテキスト:福沢諭吉『福沢諭吉著作集』全12巻(慶應義塾大学出版会)、2002年
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業中に適宜指示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業は演習形式で進めるため、事前にテキストを精読しておくなど、十分な準備をしたうえで授業に望んでほしい。あわせて自分でみつけた講義内容に関連する文献を読み、自発的に勉強を進めることを期待している。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業全体の説明 【第2回】~【第14回】 福沢諭吉の思想と行動 【第15回】 まとめと試験を行う
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