1. |
授業の内容(Course Description) |
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文化や歴史の本質を理解するためには、深く詳しく掘り下げることが当然の方向性であるが、別の文化と比較してみることも有効である。遠く離れた地域に類似の文化や社会がある場合、その類似性を生み出したのはどのような背景なのか、大きく異なる文化がある場合、その相違の背景にあるのは何なのか。そのような追求が文化や歴史の本質の理解に役立つ。本講義ではこの方法によって考古学で扱う文化の本質を理解することを試みる。比較は、日本の中での比較、日本と西洋、西洋と東洋の比較にとどまらず、時代を超えた社会の比較とめまぐるしく広がる。聴講する学生には、講義の細部にこだわらず、比較という視点でものごとの本質を理解する方法を学びとってほしい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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さまざまな題材を取り扱うが、それらを記憶してもらうことが授業の目的ではなく、比較という方法によって歴史・文化・社会の本質を解明・理解する方法を身につける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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自ら何らかの比較によって文化の本質に迫る試みをしてもらい、口頭発表とレポートの作成をする。比較の題材は考古学に関するものでなくてもよいが、比較によってものごとの本質に迫るような新しい視点を提供することが望ましい。出席と口頭発表ほぼ半々で成績評価とする。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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この授業に関するまとまった本はないが、授業に合わせ、授業時間中に指摘することがある。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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その回の授業で何と何を比較し、本質的にどのようなことがらを明らかにしようとしたのか、復習しながら考えること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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学生が主体的に問題に取り組めるようになることを目的とする授業なのでそのつもりで勉強してほしい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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前期 【第1回】 何を比較するか、どう比較するか、何のために比較するか。 【第2回】 日本の常識は世界の常識ではない。「世界4大文明」とは?! 【第3回】 ヨーロッパ考古学の時代区分システムと日本考古学の時代区分システム (1) 【第4回】 ヨーロッパ考古学の時代区分システムと日本考古学の時代区分システム (2) 【第5回】 日本の歴史的食料と西洋の歴史的食料 【第6回】 食物が生み出す道具の違い、思想の違い 【第7回】 稲作の多様性(1) 【第8回】 稲作の多様性(2) 【第9回】 文明を生み出す食料資源 【第10回】 日本列島の中央と北(蝦夷地)と南(琉球)(1) 【第11回】 日本列島の中央と北(蝦夷地)と南(琉球)(2) 【第12回】 日本列島の中央と北(蝦夷地)と南(琉球)(3) 【第13回】 文化圏とは何か 【第14回】 学生による研究発表 【第15回】 学生による研究発表 後期 【第1回】 比較考古学概説 【第2回】 日本と東南アジア歴史段階の比較 【第3回】 狩猟採集文化の違い 【第4回】 日本と東南アジアの国家形成の比較 【第5回】 青銅器の比較の基本 【第6回】 銅鼓と銅鐸 【第7回】 邪馬台国と雲南の二重王権の比較(1) 【第8回】 邪馬台国と雲南の二重王権の比較(2) 【第9回】 金印の比較(1) 【第10回】 金印の比較(2) 【第11回】 都市と都城 【第12回】 西洋の貨幣、東洋の貨幣 【第13回】 日本貨幣の歴史と特質 【第14回】 学生による研究発表 【第15回】 学生による研究発表
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