1. |
授業の内容(Course Description) |
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歴史研究の基礎である資料(史料)の歩んだ経路、性格、扱い方について考える。近現代の資料は大正12年の関東大震災で多くが焼失し、今日まで存在するのはこれを免れたもので、重要であるが故に残ったと断言できないものもある。第2次大戦後においては、停戦から連合軍上陸までの間に、とくに軍事関係資料の大半が焼却され、幸運なものが残った。しかし残った資料も米軍に接収され、一部が返還されたに過ぎない。そのためかなりの部分をオーラルヒストリーによって補填しなければならなくなったが、その流れは戦後の時代になっても変わっていない。このような経緯を検証しながら、近現代史の問題点を理解してもらう。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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研究の出発点として、資料の歴史を明らかにし、資料の批判検討を行う必要性を理解してもらう。その上で、良質な資料を選び出し、これを使ってテーマに取り組むことが、研究着手の基本であることを認識してもらう。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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調査結果の発表とレポート提出により評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業計画で使用する諸資料
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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自分の研究テーマに関する資料解題を作成すること
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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研究を志す者が、周囲に対して最も実現しやすい社会的貢献は、オーラルヒストリーを作成し、歴史資料として残すことである。修士課程を修了するまでに、一つでも多くのオーラルを残してほしい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 WDCの軍事関係資料の接収とその後 【第2回】 「明治天皇紀」 【第3回】 「明治軍事史」 【第4回】 明治二十七八年日清戦史及び海戦史 【第5回】 義和団事件資料と事変史の編纂 【第6回】 明治三十七八年日露戦史及び同海戦史 【第7回】 小笠原長生と戦史編纂 【第8回】 大正三・四年及び四年乃至九年海戦史 【第9回】 小笠原長生日記 【第10回】 「西園寺公と政局」 【第11回】 戦藻録 【第12回】 WDC文書とATIS 【第13回】 ラバウル文書 Ⅰ 【第14回】 ラバウル文書 Ⅱ 【第15回】 復員省文書
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