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授業の内容(Course Description) |
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この講義では、17世紀初頭の徳川幕府の成立から、19世紀末の日清戦争までの約300年間の日本の社会史を扱う。幕藩体制の支配原理、独自の対外関係網の構築、元禄社会の繁栄、田沼時代における生活意識の変容、幕末維新の「開国」がもつ意味、上からの近代化に対する下からの近代化、明治新政府による国民の制度化、日清戦争を通じた国民的エネルギーの吸収などをとりあげる。現代の日本人にとっては、明治維新の前後における日本社会の変動がどのようなものだったか、またそれがどんな意味をもっていたのかは理解しにくいと思われる。この講義では上記の約300年間をとりあげることで、徳川幕藩体制の成立と崩壊の過程、さらに維新前後の流動期をへて、明治20年代に新たな制度化がどのように進められたか、その過程を跡づける。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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この講義があつかう約300年間の社会史は、19世紀半ばの明治維新の前後で大きく二つの時期にわかれる。この前後の時期を比較検討することで、明治維新とその後の改革により、世襲身分制下にあった徳川社会の何がかわり、何が再編成されていったか、また何が新たに現われたかについて、正確な理解をもつことをめざす。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験(80%)。期末試験の欠席者は0点の評価となるので注意すること。 平常点(20%)。毎回の講義への出欠状況をみて、平常点の評価に反映させる。遅刻の常習者は減点する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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教科書はない。多くの出版社から各種の日本歴史のシリーズ物が出ているので参考にしてほしい。 他の参考文献は授業のおりに紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業のおりに、各回の講義内容と密接に関連する研究書の章や節、雑誌論文などを指示するので、予習復習をする際に必ず参照すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・私語しないこと。質問の機会を与えるので、講義で分からないことは、遠慮なく質問すること。 ・週に一度講義を聴いてノートをとるだけでは、十分な理解に達することは難しい。知識を身につけるために予習復習を欠かさないようにして欲しい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の趣旨説明 【第2回】 徳川幕府による覇権の確立 【第3回】 徳川幕藩体制の支配原理 【第4回】 対外関係の構築とその原理 【第5回】 元禄社会の繁栄 【第6回】 家職国家としての近世日本国家 【第7回】 江戸時代後期における社会意識の流動化 【第8回】 幕末維新期における「開国」の意味 【第9回】 私立中産指導の近代化構想 【第10回】 自由民権運動の社会史的背景 【第11回】 明治14年の政変 【第12回】 帝国大学の設立 【第13回】 教育勅語の社会史 【第14回】 大日本帝国憲法の成立 【第15回】 日清戦争とナショナリズム
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