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授業の内容(Course Description) |
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17世紀ヨーロッパに入ってきた「コーヒー」と「茶」はまたたく間にヨーロッパ人を魅了した。しかし、このふたつの異教の国からやって来た飲み物に対するヨーロッパ人の反応は様々であった。イスラムの飲み物「コーヒー」はヨーロッパ人にとってなぜ必要だったのか。中国の飲み物「茶」はヨーロッパ人にとってはなぜ「高貴」で「上品」で「女性的」な飲み物とされたのか。このふたつの飲み物がヨーロッパにおいて定着する過程は、ヨーロッパ社会が「階級社会」と「消費社会」へと突入する過程とどのように関連しあっているのか。以上の疑問を解決するために、様々な文献を渉猟する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1. ヨーロッパにおけるアラビアの飲み物「コーヒー」と中国の飲み物「茶」受容の歴史を理解すること。 2. ヨーロッパにおいて「茶」がその物質的価値を超えて様々な概念を付与され記号として浮遊する様を分析すること。 3.「茶」がどのようにして「女性性」と結びつくようになったか、またその際、女性のどのような面と「茶」を飲む行為が結びついたのかを分析すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内発表50%、期末レポート50%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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小林章夫『コーヒー・ハウス』講談社学術文庫、2000年。 角山栄『茶の世界史』中公新書、1980年。 W. H. ユーカース著、杉本卓訳『ロマンス・オブ・ティー‐緑茶と紅茶の1600年』八坂書房、2007年。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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毎週の予習は必須。授業で扱う本は必ず事前に読んでおき、発言できるようにしておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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毎週出席すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 コーヒーと男性、茶と女性 【第2回】 17世紀ヨーロッパ人の茶の発見 【第3回】 17世紀・18世紀のヨーロッパにおける茶賛成論 【第4回】 17世紀・18世紀のヨーロッパにおける茶反対論 【第5回】 17世紀・18世紀のオランダ東インド会社とイギリス東インド会社の抗争 【第6回】 コーヒー文明の発生 【第7回】 コーヒーと世界史 【第8回】 17世紀イギリスにおけるコーヒー・ハウスの発展 【第9回】 17世紀イギリスにおける政治とコーヒー・ハウス 【第10回】 18世紀イギリスにおけるコーヒー・ハウスの消滅 【第11回】 18世紀のイギリスに定着した茶 【第12回】 18世紀イギリスにおける茶の「女性性」 【第13回】 18世紀イギリスにおける茶の「貴族性」 【第14回】 18世紀イギリスにおける茶と「贅沢」 【第15回】 まとめ
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