Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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一般教養セミナー 土持 ゲーリー 法一
【Ⅰ】  2単位
【Ⅰ 大学での学び方】 13-1-3082-2740-01

1. 授業の内容(Course Description)
 大学における一般教養とは何か。高校までの授業とどのように違うのか。大学とは「生徒」から「学生」へと名称が変わるだけではありません。大学では「学びの転換」が必要です。この授業では、「大学とは何か」「大学教育とは何か」について議論します。戦後日本の高等教育は、アメリカ型をモデルとしたもので、四年制大学、短期大学、大学院、専門職大学院(プロフェッショナル・スクール)のすべてがアメリカ型です。アメリカ占領下(1945年~1952年)に現在の学校制度(六・三・三・四制)に改革されました。たとえば、シラバス、学生による授業評価、AO(アドミッションズ・オフィス)入試、オフィスアワー、セメスター制、GPA制など、すべてがアメリカから導入されたもので、日本の高等教育は制度的にも、形式的にもアメリカのものと酷似しています。しかし、両国の「教育と研究」には顕著な違いがあります。それがアメリカの大学における一般教養(「リベラルアーツ教育」)の果たす役割です。
 能動的学習(主体的学び)が学生を成長させ、そして教育が社会を変える原動力になるとの考えが、私の授業哲学(ティーチング・フィロソフィー)です。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 1)グループ活動を通して、リベラルアーツの教養教育が研究に与える影響について学び、日米大学の比較を通して、両国の「教育と研究」の違いを説明することができる。
 2)各単元で学んだ内容をもとに、コンセプトマップでつなぎ、最終的にラーニング・ポートフォリオ(学習実践記録)として発展させることができる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ラーニング・ポートフォリオと出席(70%)との筆記試験(30%)による総合評価とします。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストとして、土持ゲーリー法一『ラーニング・ポートフォリオ~学習改善の秘訣』(東信堂、2009年)を使用します。参考文献として、土持ゲーリー法一著『ティーチング・ポートフォリオ~授業改善の秘訣』(東信堂、2010年)および同『戦後日本の高等教育改革政策―「教養教育」の構築』(玉川大学出版部、2006年)を使用します。その他の必要な参考文献は、MELICに「指定図書」として用意します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 学生は、MELICの「指定図書」コーナーで指定された図書を必ず読んで、図書カウンターで「指定図書課題・リフレクション(振り返り)シート」に図書印を押してもらってから授業に出席します。各単元の「準備学習」については、授業で配付するシラバスに詳細に明記されています。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この授業は、「ソクラテス・メソッド」にもとづき、「予習(準備学習)しないで授業を受けてはならない」を原則とします。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション:大学教育とは何か
【第2回】
 アメリカの大学におけるリベラルアーツの教養教育の原点「リベラルアーツ・カレッジ」について
【第3回】
 日米の授業形態の違いについて NHKビデオ「アメリカのベストティーチャーによる中学校『社会科』の授業」を見て討論
【第4回】
 日米大学の比較(その1)高校と大学の接続および入学者選抜方法について
【第5回】
 日米大学の比較(その2)カリキュラムについて
【第6回】
 日米大学の比較(その3)大学教授職について
【第7回】
 日米大学の比較(その4)大学の授業改善とファカルティ・デベロップメント(FD)について
【第8回】
 日米大学の比較(その5)シラバスと図書館の役割について
【第9回】
 日米大学の比較(その6)ラーニング・ポートフォリオについて
【第10回】
 日米大学の比較(その7)社会人基礎力と教養教育について
【第11回】
 日米短期大学の比較―コミュニティ・カレッジと短期大学について
【第12回】
 日米大学院の比較(その1)研究と教育の関係について
【第13回】
 日米大学院の比較(その2)専門職大学院:医者および弁護士の養成について
【第14回】
 NHKビデオ「ハーバード大学・米国エリートはこう育てられる」を見て討論
【第15回】
 授業の総括