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授業の内容(Course Description) |
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●このような授業をめざします。 この授業は、大学(高等教育)という場で「学ぶことの意義」(なぜ大学で学ぶのか、どう学ぶことが重要なのか)や、小・中学校・高校での学びとの違いを理解し、社会に出た後も、一生涯に渡って自ら学び続けることができる人(自律的な学習者)となるために必要な基礎基本(知識・技能・態度)を、この授業をとおして学生の皆さんが身につけることを目標としています。「自律的な学習者」とは、自らの学びを常に自問自答しながら振り返り(省察し)、学んでいくプロセスを、自身でコントロールする力を身につけた人です。 このような目標を達成するために、大学で学ぶために必要な①「問いを立て」(Why)、②「情報を集め、整理し」(Input)、③「学んだ成果を検証する」(Output、Review)というプロセスを実際に皆さんが体験できるよう授業を設計しました。さらに、学生同士でチームを組んで一つの課題に取り組むといった演習をつうじて、「こんな風な見方もあったのか」というような幅広い視野と、それぞれに違った考えを受け入れようとする態度、チームがうまく機能するための一人ひとりのリーダーシップ(自分の役割や責任を果たそうとする姿勢)を伸ばしたいと考えています。 なお、この授業は、高等教育開発センター所属の3名の教員が同じ内容・進行(オムニバス)で行いますが、3クラス合同での授業も予定しています。したがって、受講人数は1クラス30名を上限に、対象学年は1、2年生(超過した場合は1年生を優先)とします。また、第1回目の授業で受講者決定を行いますので、2回目以降に参加しても受講はできませんので注意して下さい。 大学という場での学びを充実させたい皆さん、私たちと一緒にスタートしましょう。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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●授業をとおして、こんな力を見につけたい。 ①私(学生)は、日本と世界の高等教育の現状や課題について、簡潔に説明できます。(知識・理解) ②私(学生)は、帝京大学の教育理念や教育目標について説明できます。(知識・理解) ③私(学生)は、大学での学びと、小・中学校、高校での学びとの違いについて簡潔に説明できます。(知識・理解) ④私(学生)は、自分自身の学びを振り返る(省察する)ことができます。(技能) ⑤私(学生)は、周囲の人たちと適切な人間関係を築くことができます。(技能) ⑥私(学生)は、大学教育に関心を持ち、積極的に関わろうとします。(関心・意欲)
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成績評価方法(Grading Policy) |
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●成績評価は以下のように、さまざまな方法で行います。 ①小テスト(知識・理解) 30%(第15回目) ②研究レポート(知識・理解、意欲) 20%(教員評価) ③プレゼンテーション(技能・態度) 10%(相互評価) ④学修ポートフォリオ(知識・理解、技能、関心・意欲) 40%(期末・必須) ※すべての評価で、「ルーブリック」(評価の目安)を作成し、学生の皆さんに事前に渡します。学修ポートフォリオについては、第1回と第14回目の授業で説明します。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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●テキストを購入してください。 佐藤望他、『アカデミック・スキルズ~大学生のための知的技法入門(第2版)』、慶應義塾大学出版会、2012 (¥1,050円予定) ※必ず学内外の書店等で、第2回授業までに購入して下さい。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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●発展的な学びに向けた準備学習課題を課します。 授業は、皆さんが自宅等で準備してきたことをもとに、より発展的な学びをする場です。最初は大変かもしれませんが、「準備学習」→「授業での発展的な学び」→「学んだことの振り返り」というサイクルが4年間を通じて定着するよう、1年生の段階からの基礎づくりが大切です。各回の具体的な課題内容は、オリエンテーションの中で説明します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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●その他の留意事項です。必ず読んでおいて下さい。 ①授業改善のため、SCOT(スコット)学生が各授業に参加します。SCOT学生とは、高等教育開発センターに所属する、学生の視点から授業改善を行う訓練された学生のことです。この授業を受けた皆さんの中からも、ぜひ、SCOT をめざす人が出てきてほしいと思います。 ②欠席および公欠の扱いについては、大学の規程にしたがいます。 ③事前・事後アンケートは、学生の皆さんの学習の状況(授業に対する理解の深さ・関わりの程度等)を把握するため、通常の授業アンケートに加え、高等教育開発センターが独自のアンケート用紙(CLASSE)を用いて行います。 ④教員紹介(私の授業観): 「学ぶ」ということに終わりはありません。多くの場合、孤独な作業が必要とされるものです。常に、自身の忍耐力や集中力との戦いですが、それを乗り越える度に、また一つ成長した自分を実感できるのではないでしょうか。学生の皆さんが、真摯に課題と向き合えるような授業でなければならないと考えています。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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●各回の授業は以下のように予定しています。授業の進行状況によって多少変わることもありますが、できる限り、この内容で進めます。なお、合同授業は教室変更も考えられますので、教務前の掲示に常に留意して下さい。 第1フェーズ(1‐2回):オリエンテーションと受講者決定の段階 第2フェーズ(3‐7回):講義形式での、おもに知識・理解のための段階(授業内容をより理解するために、事前学習課題を課します。) 第3フェーズ(8‐13回):チーム学習での、おもに技能・態度を身につける段階 第4フェーズ(14‐15回):個人作業とピア・レビュー(評価)によるまとめの段階 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【第1回】 オリエンテーション①(合同授業) 自己紹介、授業目的、授業方法、成績評価、学修ポートフォリオの説明等 【第2回】 オリエンテーション②(合同授業) 帝京大学の教育理念、大学での学びとは、ティップス先生の7つの提案 (◎事前アンケート) 【第3回】 講義 「高等教育の現状(日本・世界)」 高等教育制度、FD、Student Engagement等 【第4回】 講義 「能動的学習のために」 深い学習の考え方、シラバスの活用 【第5回】 講義 「大学での学び①~『問いをたてる』」 テキストp.18~24、知的好奇心、批判的思考 【第6回】 講義 「大学での学び②~『情報を収集・整理する』」 テキストp.43-63、p.85~100、ノートテイキング、図書館活用、情報カードの作り方等 【第7回】 講義 「大学での学び③~『文章をまとめる』」 テキストp.107~141、論理的思考、レポート・論文を書く、プレゼンテーションの方法 【第8回】 演習 「チームで学ぶ①(問いを立てる)」 チーム作り、研究テーマを設定する、計画を立てる 【第9回】 演習 「チームで学ぶ②(情報を集め、整理する)」 チームでの自主活動 【第10回】 演習 「チームで学ぶ③(情報を集め、整理する)」 チームでの自主活動 【第11回】 演習 「チームで学ぶ④(成果のアウトプット)」 研究レポートの提出、グループ成果物の作成 【第12回】 演習 「チームで学ぶ⑤(成果のアウトプット1、合同授業)」 プレゼンテーション(ピア・レビュー) 【第13回】 演習 「チームで学ぶ⑥(成果のアウトプット2、合同授業)」 プレゼンテーション(ピア・レビュー) 【第14回】 学習のまとめ 「学修ポートフォリオの作成に向けて」 ラーニング・ポートフォリオのアウトラインの作成(コンセプトマップの作成、ピア・メンタリング) 【第15回】 総括 学習の振り返り、小テスト(◎事後アンケート)
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