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授業の内容(Course Description) |
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財政とは政府の経済活動であり、政府は必ず中央政府と地方政府との任務分担関係のもとに構成されているものであるから、財政にかかわる分析はつねに中央政府と地方政府の全構造を視野におさめつつなされるべきものである。この講義はこのような意味での財政の存在形態を全構造的に把握しようとする視点に立つものである。従って、通常の講義科目でいえば、「財政学」と「地方財政論」がカバーする領域を包括している。 この講義は教科書を定めず、できるだけ具体的な情報や数値を用いた資料講読的なかたちて進めていくこととする。対象として、日本と中国をとりあげる。中国に着目するのは、世界史的な経済成長を達成しつつある中国ではその経済運営において政府の役割がとくにおおきく、財政問題の分析にとって興味ある素材が豊富であるからである。また大学院において中国からの留学生が多いという現実的な条件に対応することも目的である。 以上に示す授業計画は一応のめやすであって、受講生の研究テーマに即して適宜変更する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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財政にかかわる事柄について、できるだけ直接的な情報や数値を収集し、それを理解、分析していくための方法を学ぶこと。自ら必要な資料を探索、収集してそれを分析するという手法の基礎を身につけること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席状況、授業での報告・発言、論文などを総合して評価する。毎回出席をとる。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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とくに定めない。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義ないし集団的討議の素材として、インターネットで政府機関のホームページを検索する等の手段によって広い意味で財政に関わる(もしくはより広く経済に関わる)情報を収集すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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前項によって収集した情報を講義に持ち寄り、講義ないしは集団的討議の素材として提供してほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 財政学特講Ⅰの総括 【第2回】 日本における中央政府の財政収支の構造(1) 【第3回】 日本における中央政府の財政収支の構造(2) 【第4回】 中国における中央政府の財政収支の構造 【第5回】 日本における地方政府の財政収支の構造(1):県政府 【第6回】 日本における地方政府の財政収支の構造(2):市政府 【第7回】 中国における地方政府の財政収支の構造(1):吉林省の事例 【第8回】 中国における地方政府の財政収支の構造(2):長春市の事例 【第9回】 日本における政府投資の構造 【第10回】 中国における政府投資の構造 【第11回】 日本の国有企業・公営企業(1) 【第12回】 日本の国有企業・公営企業(2) 【第13回】 中国の国有企業(1) 【第14回】 中国の国有企業(2) 【第15回】 まとめ
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