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授業の内容(Course Description) |
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世界経済のグローバリゼーションの流れは、もはやこれを止めることは不可能に近い。では何ゆえに世界経済は財・サービスや資本のより自由な国際間での移動を求め、WTO体制を強化することに熱心なのであろうか?「日本と国際経済Ⅱ」では、こうした貿易自由化の論拠となった諸理論の系譜を辿ることからはじめ、その理論的示唆に基づく国際貿易、資本移動のグローバルな枠組みや地域的枠組みを説明する。言うまでもなく世界経済には発展途上の経済も含まれており、第二次大戦後の時期、それら諸国も一次産品ばかりでなく製造工業品を国際市場へ輸出することとなるが、このプロセスは必ずしも容易ではなかった。当時国連に誕生した国連貿易開発会議(UNCTAD)はこの状況に対処するため、戦後世界経済への発展途上国の参加に伴う問題を重ねて討議し、その甲斐あって途上国の輸出を容易にする優遇措置も採られるようになった。講義では以上のテーマに加え、日本の対外経済政策の今後の方向性を左右する諸側面について取上げ、日本と国際経済の関係についての理解をいっそう深めたい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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国際貿易は日本の歴史にもオランダの商館やその他南蛮の商船渡来の記録が多く残されている。近代になって重商主義が隆盛になると、経済学者達も国際貿易の促進を裏付ける国際貿易の理論分析を始めたが、諸君にはそれら学者の主張がどのようなものであったか、その概略を学んで欲しい。また、現在のWTO体制とそれら国際貿易理論が、どのように関連しているのかを考えて欲しい。さらに、発展途上国の工業化が進む中で、途上国をWTOの枠内にどのように抱き込むのが良いのか、そうした議論のポイントを理解してもらいたい。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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試験は、持ち込み『不可』で行います。 成績評価は①テストの結果と②出席状況の両方を勘案し、総合的に評価します。 出席についてはタッチパネルで7回以下の場合はコンピュータが自動的にR評価をしますので、単位を与えることはできません。充分注意すること。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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伊藤 元重著『ゼミナール国際経済学入門』日本経済新聞社、2005. 板垣・岩田・瀬戸共編『グローバル時代の貿易と投資』2003.
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テレビ、Webサイト、新聞、雑誌等々に目を通し、講義内容と関連する情報を日常的にチェックすること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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問題意識をもって、受講して欲しい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 世界経済喫緊の課題Ⅰ:失業問題、食糧問題 【第2回】 世界経済喫緊の課題Ⅱ:資源問題、人口問題 【第3回】 主要国・地域別経済Ⅰ:アメリカ経済 【第4回】 主要国・地域別経済Ⅱ:ユーロ圏経済 【第5回】 主要国・地域別経済Ⅲ:アジア経済 【第6回】 主要国・地域別経済Ⅳ:新興諸国経済 【第7回】 世界経済発展の試行錯誤Ⅰ:①自由貿易協定の進展FTA,EPA 【第8回】 世界経済発展の試行錯誤Ⅰ:②TPP 【第9回】 世界経済発展の試行錯誤Ⅱ:①国際インフラの整備 【第10回】 世界経済発展の試行錯誤Ⅱ:②エネルギー確保戦略 【第11回】 世界経済再生の構想Ⅰ:欧州-アジア―米国バランスと連携 【第12回】 世界経済再生の構想Ⅱ:ASEAN共同体構想 【第13回】 世界経済発展の構想Ⅲ:東アジア共同体構想 【第14回】 世界経済発展の構想Ⅳ:シェール・ガス、シェール・オイル 【第15回】 まとめ:展望:グローバル経済の中の日本経済
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