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授業の内容(Course Description) |
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日本経済は、1980年代のバブル崩壊以降、少子高齢化の進展、さらにはリーマン・ショック、東日本大震災といった外的要因も加わって、長期にわたる低成長・デフレ状態から脱しきれずにいます。こうした状況下、我々が、今抱える数多くの難問を着実にこなしていくためには、まず、我々自身が「やればできる」という自信と勇気を取り戻すこと。これが何よりも大事ですが、それとともに、人間が過去に経験した数々の「失敗」の原因を多角的に探り、同じような過ちを犯さないための「確かな判断力」を身に着けることが大切です。 この演習では、そのような観点から、古今東西において繰り返されてきた「バブル」という経済現象や、太平洋戦争時に何度も同じような作戦上の失敗を繰り返した日本軍の行動パターンなどを材料に取り上げ、人間、特に我々日本人の「判断」が、どのような時にどのようにして狂うのか、そのメカニズムやもたらす影響等を考察するとともに、「正しい判断」を維持するためのPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルのあり方等についても勉強していきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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バブルに限らず人間の犯す「過ち」の多くは、後になっては、その愚かさに誰しも気づくものの、その渦中にあってこれに気づく人は少ないものです。この演習では、そうした「人間誰しもが陥りやすい落とし穴」を、極力当事者としての感覚を持って、見つめ直し考え直すことにより、社会人に求められる思考力・判断力の涵養を図っていきたいと思います。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席と討論への参加、レポートの作成と発表等に基づいて総合的に評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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ジョン・K・ガルブレイス(鈴木 哲太郎 訳) 『[新版]バブルの物語』 ダイヤモンド社 鈴木博毅 『「超」入門 失敗の本質』 ダイヤモンド社
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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何事についても、分からなかったこと、疑問に感じたことは、そのまま放置せず、すぐに調べる、ないしは質問するクセをつけてください。 また、各回の発表担当者は、責任を持ってきちんと準備をしてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ゼミは共同作業ですから、最低限自分に与えられた役割はサボらずに果たすこと。また、できるだけ周囲に気を配り、お互いにサポートし合うよう心掛けてください。そして、何よりもまず担当教員やゼミ仲間のコミュニケ―ションを密にして楽しく思い出に残るゼミ生活にしていきましょう。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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テキストを読み進めるとともに、ゼミ生が興味を持ったテーマごとにグループを編成し、研究・発表を進めていきます。
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