Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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日本と国際経済 I 比佐 優子
教職  2単位
【教職】 13-1-1110-3407-23A

1. 授業の内容(Course Description)
 国際経済が、経済学における1つの独立した分野として認知されている理由は、「国」という単位の存在である。「経済のグローバル化」という言葉も近年良く使われるが、人によって様々な定義がなされているものの「国際化」との違いは「国境」の概念を重視するか否かにある。世界の国々が1つに統合されてしまえば、もはや「国際」という言葉は意味をなさない。しかし、依然として、経済活動においては国境の存在が重要であり、国を超えて人(労働者)の国境を越えた移動は規制・制限され、激しい管理下にある。国が変われば、制度・法律・政策・言語・文化なども異なる。このような状況のなかで、国境を越えて取引さえるモノ・サービス・金の動きは活発になっている。
 「国際経済ⅠⅡ」では、国際経済の現状について21世紀以降急速に拡大する資本や労働の動きをについて捉え、日本を取り巻く経済環境がどのよう変容しているのかについて資金の動き、人の流れ、企業活動について把握する。またこうした動きが国内経済に与える影響について着目する。
 「国際経済Ⅰ」では、国際経済の拡大に伴い国家間の相互依存が進むなか明らかになる状況や新たな問題や経済成長について、日本との関係を軸に取り上げる。まず経済統計について紹介し、リーマンショックの前後の国際金融の動きや近年の日本経済について確認していく。その上で日本企業の海外進出について取り上げ、国内の産業構造や生鮮性、雇用の問題とあわせて考えていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国際経済に関する客観的な理解と統計データに基づく現状分析について広く学ぶ。そして膨大な情報を整理し、急速な国際環境の変化に対する政府の政策や、企業の活動について客観的に理解し、その是非について、それぞれが考え、自身の意見を持てるようになることを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末に行うペーパーテストと小テストもしくはレポートなどの課題の提出、出席状況(期中に数回出席をとります)で総合評価を行います。出席率は評価の前提とします。
 なお開講後の状況により、出席状況の確認の方法や回数、小テストの回数、もしくはレポートによる課題となるかについて判断します。
私語は厳禁です。退場を求め欠席扱いとし、最終評価の大幅な減点要素とします。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:特になし
 参考文献:
 石川 城太・菊地 徹・椋 寛(2007)『国際経済学をつかむ』有斐閣
 伊藤 元重 (2005)『ゼミナール国際経済入門』改定3版
 P.R.クルーグマン, M.オブズフェルド (著)山本 章子 (翻訳)
 『クルーグマンの国際経済学 上 貿易編』
 経済産業省『経産白書』各年版 (経済産業省)
 中小企業庁『中小企業白書』各年版 (中小企業庁)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 講義の際に紹介する文献、新聞記事、海外ドキュメンタリーなど国際経済に関する記事や映像に目を通して、理解を深めてください。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 講義を通して日本経済や世界経済の動きに関心を持ち、考える姿勢を持つことを期待します。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 講義は概ね以下のような内容を予定しています。ただし、受講者の状況をみて、理解をより深めるため、内容や順序を見直す場合があります。また視聴覚教材(関連するドキュメンタリーや特集番組、映画)などを使用し、それをもとに課題提出をおこなう場合もあります。
【第1回】
 授業ガイダンス
【第2回】
 国際経済と統計データ
【第3回】
 国際経済の史的推移
【第4回】
 国際収支と国際マクロ経済
【第5回】
 国際資金フローと国際金融市場
【第6回】
 国際化のなかの日本経済
【第7回】
 直接投資と企業の生産性
【第8回】
 海外進出と空洞化問題
【第9回】
 中小企業の海外進出
【第10回】
 サービス産業の海外進出
【第11回】
 海外進出と企業金融
【第12回】
 海外進出とネットワーク
【第13回】
 海外進出の方向性と政策的支援 
【第14回】
 多国籍企業の活動 (1)
【第15回】
 多国籍企業の活動 (2)