1. |
授業の内容(Course Description) |
|
「ソーシャルベンチャー」論をテーマとしたゼミナールです。皆さんは、「社会起業家」とか「社会的企業」といった言葉を耳にしたことはありませんか?この演習では、「環境」と「社会」をキーワードとして、「環境ビジネス」や「ソーシャルビジネス」の実情や可能性について、幅広く調査・討論していきます。 環境ビジネスの概要は、「社会環境論Ⅱ」のシラバスを参照いただくとして、ソーシャルビジネスについて簡単に説明すると、「ビジネスの手法を用いて社会的課題の解決にあたる事業」です。事業型NPOであったり、株式会社であったりと法人格は問いませんが、一般に、NPO(特定非営利活動法人)法で列挙されている17の事業分野で活動しており、環境保全や、食の安全、障がい者福祉、医療・介護、子育て、教育、まちづくり、フェアトレードなどを主な領域としています。 地球温暖化防止策として、自然エネルギーの活用や森林保全、リサイクルの促進など、CO2の排出量削減に役立つ環境ビジネスが大きく羽ばたいています。また、「社会」分野では、病児保育のフローレンス、ワンコイン(500円)健診のケアプロ、フェアトレードのマザーハウスなどが、学生社会起業家の代表例として有名です。 東日本大震災ボランティア・ツアーに参加された方もおられるでしょう。大震災からの復興には、まだまだ長い時間がかかります。持続可能な支援策こそが求められており、社会性と事業性を同時に追求するソーシャルビジネスへの期待が高まっています。 そこで、当ゼミナールでは、演習Ⅰで、ソーシャルビジネス論とベンチャー起業論(事業計画の作り方など)について、文献輪読などによって基礎的な理解を図り、演習Ⅱでは、各自の関心に基づいて環境ビジネスやソーシャルビジネスの分野で、具体的な事業計画を作り、発表してもらいます。 NPOやボランティアに関心があり、将来、そうした分野で仕事をしてみたいと思っている方とか、地域に貢献する公務員や教員を目指したいと考えている方など、大歓迎です。皆さんが社会に出ていくにあたって、この演習が、いわゆる大企業への就職だけではない多様な選択肢を考えていく一助になれたらいいと思っています。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
各自が(あるいはグループで)テーマを選定して、文献やインターネットなどを通じて調査・分析し発表すると同時に、ゼミ仲間の発表を聞き、討論する力を養います。 さらに、環境ビジネスやソーシャルビジネスについての理解を深め、社会に出てからの自分の生き方を考えていくきっかけを作れたらと思います。 事業計画づくりなど「起業の仕方」を学ぶことは、企業や役所などに就職した場合でも、新たな事業を企画推進していくときに大変役に立つはずです。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席を最重視し、ゼミ討論への参加や、発表内容などから総合的に評価します。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
演習Ⅰについては、テキストを決めますが、演習Ⅱにおいて各自(あるいはグループ)が選定するテーマについては、必要に応じて紹介していきます。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
PCを活用した文章や図表の作成(WORD、EXCEL)やプレゼンテーション(POWER POINT)能力は、就職後も有力な武器になるので、ぜひある程度はマスターしておいてください。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
ゼミでの発表・討論だけでなく、野外フェスティバルやコンパ、合宿などへの参加を通じて、楽しい大学生活を送り、卒業後も気軽に付き合っていけるゼミ仲間を作っていってほしいと思います。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
演習Ⅰの前半では、ソーシャルビジネスについて、テキストをもとに輪読・討論を行います。地球環境を考える 「アース・デイ東京」といったフェスタにも行ってみる予定です。演習Ⅰの後半では、ベンチャー起業論についてテキストをもとに輪読・討論を行い、事業計画の作り方などに関する理解を得ます。 演習Ⅱでは、演習Ⅰの間に温めていた関心に基づいて、各自あるいは数人のグループごとに、実際のソーシャルビジネスを調べたり、事業プランを考え、順次発表してもらいます。単に文献調査にとどまることなく、できれば現場に出向き取材できるように、環境ビジネスやソーシャルビジネス事業者への訪問も企画したいと思います。地方合宿も希望があれば企画します。NPO等へのインターンシップ(実地研修)も希望があれば紹介できます。
|