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授業の内容(Course Description) |
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衛生学・公衆衛生学は、個人の疾病ではなく、集団の健康問題とその予防について研究することを目的としており、「社会医学」として分類されています。そのため、集団の健康を知るツールとしての「疫学・統計」や、人々の健康を守るための「法規」や「施策」、こども、労働者、高齢者などに対する「地域保健」、さらに、世界の一員として健康を守る活動を行う「国際保健」も領域に含まれます。 現在、私たちを取り巻く社会は急速に変化し、経済的にも厳しい状況が続いています。その中で疾病の予防、健康の保持・増進について学ぶことは、医学だけでなく広く社会全体のしくみについて考える機会となります。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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われわれの健康状況を知り、健康を守る公的な仕組みについての基礎知識を持ち、健康増進について自分で考える力をつける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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評価は、試験(最終講義日)50%、講義への参加状況40%、その他(授業態度等)10%で評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献:『図説国民衛生の動向2012/2013』 厚生労働統計協会、2012
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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特別の準備は必要ありませんが、日頃から、医療や保健に関連した報道や家族の健康問題などに関心を持ち、自分なりの意見を持つよう努めてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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講義の範囲が広く、行政の施策などなじみのない内容も含まれると思います。しかし、実際の公衆衛生学は毎日の生活に密着した学問です。ニュースや新聞などには講義に関連する内容があふれていますので、注意して目を通して下さい。 他の学生の妨げとなる行動(私語など)に対しては厳正に対処します。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 衛生学・公衆衛生学とは 「健康」の概念の変遷、「予防医学」とは何か、について学ぶ。 【第2回】 統計からみた国民の健康 わが国の人口構造や疾病の構造、出生・死亡について、主な統計資料を用いて説明し、公衆衛生学を学ぶ上でのキーワードについて述べる。 【第3回】 その情報は正しいか? 「疫学」 集団の健康を考える上で必要となる方法論「疫学」について、いろいろな例を使って学ぶ。 【第4回】 国民の健康状況(1)(国民栄養、成人保健) 日本人の栄養状況や食生活・生活習慣、生活習慣病などの現状について学ぶ。 【第5回】 国民の健康状況(2)(精神保健) 日本人のこころの健康の状況について知り、自殺予防についても学ぶ。 【第6回】 国民の健康状況(3)(母子保健) 乳幼児と母親の心身の健康について知り、少子化や女性の社会進出などの状況と合わせて対策を考える。 【第7回】 国民の健康状況(4)(学校保健) 児童・学生の心身の健康について概説し、主な問題点について学ぶ。 【第8回】 健康を守る仕組み(1)(社会保障論) 我々が病気になったらどうなるのか? 国民の健康を守る健康保健制度の仕組みについて具体的なケースを挙げて説明する。 【第9回】 健康を守る仕組み(2)(社会保障、老人保健) 高齢者の生活と健康を守る社会保障制度について、具体的なケースを挙げて説明する。 【第10回】 健康を守る仕組み(3)(社会保障、産業保健) 働く人の健康や安全を守る制度について、具体的なケースを挙げて説明する。 【第11回】 環境と健康(1)(環境衛生) 環境問題(大気汚染、温暖化、放射線など)と健康の関わりを概説し、行政やNPOなどの取り組みについて知る。 【第12回】 環境と健康(2)(感染症) 身近な感染症(インフルエンザ、その他)について説明し、予防対策について個人レベルから行政レベルまで考える。 【第13回】 環境と健康(3)(食品保健) 食の安全を守るには?現在の食を取り巻く公衆衛生上の問題を知り、対策を学ぶ。 【第14回】 世界の健康問題 (国際保健) 国際保健の概要を説明し、世界で取り組むべき主な健康上の問題をあげ、取り組みを紹介する。 【第15回】 試験とまとめ
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