Web Syllabus(講義概要)

平成25年度

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比較文化 II - II (アジア文化と社会2) 鳥居 千代香
選択  2単位
【人間文化】 13-2-2110-0377-18A

1. 授業の内容(Course Description)
 アニメ、マンガ、ファッション、アート、コンテンポラリーダンス、アジアンポップスなどポストモダンの芸術、美術、音楽の分野で、アジアはある種の一体感をもち、またアジアのダイナミズムは、多くの分野で世界をリードする力をもちつつあります。「今、ほとんど、歴史上はじめて、アジア、とりわけ、日本、韓国、台湾、中国の沿海州を中心とする都市部の若者の間に、ある種の文化的共通意識が育ちつつあり、アジアの若者たちは、政治的国境を越え、経済的障害を乗り越えている」と国際交流基金の小倉氏は語っています。
 アニメの中には、日本の伝統的自然観が潜んでいて、それはこれからの地球の環境問題解決の一つの鍵を提供するものともいえ、機械やロボットを人間の体の延長と考える日本人の感覚は、21世紀の人間社会のありかたに、伝統的ヨーロッパの観念とは違う考え方を注入するもの、ともいわれています。
 この授業はアジアの文化・家族・人間関係について社会・文化人類学的・社会学的な比較を取り入れ、今日、アジアでは中国、インドや韓国に国際的な注目が集まっていますが、それらの国々について、また東アジアや南アジア諸国とともに東南アジアや西アジア各国の政治・経済・情報・社会・宗教・ジェンダー・歴史などについても紹介をします。アメリカ、ヨーロッパ、南太平洋諸国、アラブ、アフリカなどとくらべてみて、「アジアの伝統と考え方の世界規模での普遍化は可能か」も考えていきます。
 アニメやDVDなども使って理解を深めます。わかりやすい、楽しい授業です。
 注:この科目は短大生には社会科免許に関する科目になっています。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 多元的な課題を対象としているので、みなさんが履修する多くの科目と関連しています。「アジア文化と社会はわかりやすくおもしろい、新鮮で毎回新しい発見がある」と感じてほしいと思います。アジアを通して世界を見る、またアジアや世界を知り、自分たちの国である日本を意識し、自分を知ることを目標にします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席と平常点(50%)+期末レポート(50%)
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは買う必要がありません。授業ごとに毎回、教師が作成したレジュメ・プリントを配布します。
 参考文献:『ガンディーの言葉』マハートマ・ガンディー著・鳥居千代香訳 岩波ジュニア新書
『インド 姿を消す娘たちを探して』G.アラヴァムダン著・鳥居千代香訳 つげ書房新社他
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 新聞やテレビのニュースにいつも関心を持つようにし、学習したことで興味をもったことを調べてみましょう。 世界やアジアのことを知り、日本を、自分のことを考えてみるように心がけましょう。
 参考文献としてあげた平和を考える上で大切な『ガンディーの言葉』も読んでみてください。
 『インド 姿を消す娘たちを探して』は帝京大メリックに指定図書として置いています。  
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ・レジュメ・プリント配布が多くなる予定です。きちんと家に持って帰り単位認定が確定するまで保管しておきましょう。
 ・理解を深めるためにアニメや視聴覚教材も使用する予定です。
 ・こういう話を聞きたいというテーマがあればリクエストをしてください。前期・後期のテーマのいくつかはそのようにしてできたものが入っています。
 ・重大ニュースやリクエストがあったときや、その時々の世界情勢や経済問題も授業に取り入れます。
 ・授業は静かに受けるように心がけてください。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 日本の森とヨーロッパの森 & 「となりのトトロ」
【第3回】
ビル・ゲイツとウォーレン・バフェット & ノーベル賞と山中伸弥 
【第4回】
 米アップルのスティーブ・ジョブスについて & ムハマド・ユヌス(2006年ノーベル平和賞受賞)とソーシャル・ビジネス
【第5回】
 タイ国王の愛犬シンデレラ物語
【第6回】
 ジョークから知る日本人 & 世界 (1)
【第7回】
 ジョークから知る日本人 & 世界(2)
【第8回】
 アウンサンスーチー(1991年ノーベル平和賞受賞)とミャンマー(ビルマ) ~ 「ビルマの竪琴」
【第9回】
 「風の谷のナウシカ」のメッセージとは
【第10回】
 オバマ大統領ノーベル平和賞受賞(2009年)の意味 & アメリカと日本
【第11回】
 アマルティア・セン(1998年ノーベル経済学賞受賞)とインドの発展 &「国民総幸福」とブータンで最も
尊敬される日本人
【第12回】
 韓国人と「韓流」
【第13回】
 日本のポップカルチャーと「文化」
【第14回】
 イランのシリン・エバディ(2003年ノーベル平和賞受賞)の闘い  
【第15回】
 東アジアと青き狼の国モンゴル ~ チンギス・ハーンに現代人が学ぶこと