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授業の内容(Course Description) |
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第2次世界大戦後の日本経済の発展過程を「高度経済成長」にポイントを置いて解説します。 新カリキュラムに対応した今年度新設科目なので、3年生以外は受講できません。注意してください。 第2次世界大戦後の日本経済は戦前の日本経済と段階を異にするので、2年次の「日本経済史」が未履修でも、授業内容の理解に支障はありません。 戦後日本経済史のうち、秋学期では高度経済成長第2期(1960年~)以降を扱います。戦後の日本経済は、敗戦直後の荒廃から高度経済成長へのめざましい発展局面と、オイルショック・ドルショックによる高度成長の終焉、その後の「安定成長」とバブル経済から「平成不況」への急転というさまざまな変転を経験しました。その中で、この講義では「高度経済成長」にポイントを置いて戦後日本経済の発展を考えてみたいと思います。その理由は2つあります。ひとつは、平成生まれの君たちにとって高度経済成長がもっとも興味のある時期であること、もうひとつは、高度成長期に形成された日本経済の基本構造の理解が、現代の日本経済が抱える諸問題を考える際に非常に大切だと考えるからです。 「歴史」は人間が「現在」を考える時に、その問題解決の重要なカギを与えてくれます。そんなことを考えながら、授業では高度経済成長の「光」の部分だけでなく、「影」の部分も合わせて話をしたいと思います。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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高度経済成長の「光」と「影」の両側面を理解することを通じて、受講者が現代日本経済の諸問題を考えるための基礎的な知識を獲得すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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学期末試験の成績による。小テストや、成績に反映する出席調査は行わない。ただし、「授業を聴きに来てくれた人に良い成績をつける」というのが私の基本姿勢なので、出席を取らないからと言って、「出席しなくても単位や良い成績が取れる」ということではない。私はプロの教員なので、答案を見ればその人が授業を聴きに来てくれたか否かを判別できるという自負を持っている。履修登録をしたら教室に来て授業を聴いてほしい。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しない。毎回配布するプリントに沿って授業を進める。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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「高度成長期」のイメージを持つために、諸君の周囲に必ず居られる、その時代を生きた人々に高度成長期の実体験などを聞くこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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戦後日本経済史は学問としての歴史が浅く、適当なテキストが見つからないので、授業は配布プリントを使って進めてゆきます。プリントはサブノート形式なので、授業を聴きながら空白部分=重要事項を書き込んでゆけば自然とわかりやすい自前のノートが完成します。ただし、プリントには「項目」と「データ」のみが印刷されているので、授業を聴かずにプリントだけ持って帰っても全く役に立たないので注意してください。 とにかく私は授業をするのが大好きです。大好きな授業を聴きに来てくれた人に、「今日は授業を聴いてよかったなぁ」と思ってもらえるような授業をするように心がけています。最後まで授業大好き人間石川治夫につきあってくださいね。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス 【第2回】 2 高度経済成長 (3)高度経済成長第2期(1960-64) 1 【第3回】 高度経済成長第2期 2 【第4回】 高度経済成長第2期 3 【第5回】 (4)高度経済成長第3期(1964-73) 1 【第6回】 高度経済成長第3期 2 【第7回】 (5)高度経済成長の総括 【第8回】 (6)高度経済成長の条件 1 【第9回】 高度経済成長の条件 2 【第10回】 (7)高度経済成長の矛盾と帰結 1 【第11回】 高度経済成長の矛盾と帰結 2 【第12回】 3 高度経済成長以降の日本経済 (1)低成長への移行と対応 1 【第13回】 低成長への移行と対応 2 【第14回】 (2)1980年代の日本経済 【第15回】 まとめと試験
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