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授業の内容(Course Description) |
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20世紀ドイツの歴史というと、ヒトラー、ナチズムなどが重要なトピックスとして挙げられることが多い。いうまでもなく、ナチズムの下でなされたユダヤ人虐殺などの国家行為は、野蛮な世紀としての20世紀を特徴づける出来事であり、その意味では、ナチズムを重要な歴史的事実として挙げるのは「健全な常識」によるものであるといえよう。 だが、ナチズムというのはドイツ史に固有の現象なのであろうか。確かにナチズムそれ自体はドイツ史に固有の歴史的現象である。しかし、ナチズムの下でなされた国家行為、とくに組織的な民族虐殺は、ナチス以降にも他の国々で繰り返されている。とすれば、20世紀の歴史の中に現れた「野蛮」の一つとしてナチズムを取り上げる視角も必要であろう。 ドイツ史において20世紀はまさに激動の時代であった。講義では、この20世紀ドイツの光と影を、経済史および社会史の観点から考察する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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近代および現代社会に内在する諸問題を、歴史から学び取る。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内に行う小テストの結果や出席態度などによって総合的に評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献:斎藤・八林・鎗田編『20世紀ドイツの光と影』芦書房
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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ドイツ史の通史を学習しておくこと。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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問題意識をもって授業に臨むこと。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション:ドイツ近現代史の問題 【第2回】 ヴァイマル期の社会① 階級のるつぼ 【第3回】 ヴァイマル期の社会② 大衆消費社会の成立 【第4回】 ヴァイマル期の社会③ 社会層の動向 【第5回】 ヴァイマル期の社会④ 「まとめ」と小テスト 【第6回】 ナチ政権の誕生① 恐慌期の社会的危機 【第7回】 ナチ政権の誕生② ヴァイマル期パラダイムの崩壊 【第8回】 ナチ政権の誕生③ ナチスのイデオロギー 【第9回】 ナチ政権の誕生④ ナチスの社会的基盤 【第10回】 ナチ政権の誕生⑤ 「まとめ」と小テスト 【第11回】 ナチスの経済政策① 経済の奇跡:失業問題の解決 【第12回】 ナチスの経済政策② ラインハルト計画(雇用創出計画)の実施 【第13回】 ナチスの経済政策③ 軍事経済への傾斜 【第14回】 ナチスの経済政策④ 4カ年計画とアウタルキー政策 【第15回】 ナチスの経済政策⑤ 「まとめ」と小テスト
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