Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本の中小企業 II Kan Viktoriya
選択  2単位
【経済】 14-1-1110-3185-06

1. 授業の内容(Course Description)

 中小企業は日本経済発展の原動力として大企業とともに重要な役割を果たしてきている。近年では、経済発展の原動力としてのベンチャー企業や、地域資源(地域の人材やノウハウ、施設、資金など)を活かしながら地域課題の解決を「ビジネス」という手法で取組むコミュニティ・ビジネスに対する社会的な期待や関心が高まっている。
 ただし、市場での競争が厳しいため、全ての中小企業が成功するとは限らない。特に、日本経済の情報化、グローバル化やサービス経済化の急速な進展により、既存の中小企業の多くが市場から退出し、新時代を担う起業家が多数登場し、新旧交代が顕著になってきている。
 この講義では、中小企業が成長を遂げるために抱える経営課題とは何か、また経営環境の変化にどのように対応してきたのか、中小企業にとって有効な競争戦略とは何かなどに焦点を置き、中小企業の創業・成長・退出について分かりやすく解説する。また、研究開発型の新規開業企業の誕生背景や活動実態についても多様な側面から一緒に考えて行きたいと思います。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 この講義では、現代経済社会において多大な影響力を持つ中小企業の活動実態、存立環境と諸問題点についての理解を深めるとともに、企業のライフサイクルという視点から中小企業の創業・成長・退出過程に関する基本概念を把握してもらうことを目的とする。
 特に、日本経済における中小企業を取り巻く環境変化を感じ取り、中小企業の経営課題をより広い視点から捉える能力を養成することが目標です。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 総合評価の基準:出席(10%)+宿題(30%)+試験(60%)
  試験:授業内で行う小テスト(期間中に2回、30%・30%の割合)、または定期試験で評価します。受講者数により決定する。
  出席:出席回数及び授業態度も重視する。授業の欠席回数が1/3を超えた場合、原則として単位を認定しない。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 視聴覚教材:
  パワーポイントを使用した講義を行う。毎回授業のあらましと資料を配付します。
 教科書:
  有用な参考文献は講義にて随時取り上げ紹介していきます。
 参考書:
  『中小企業白書』2010~2014年版
  本庄裕司(2010)『アントレプレナーシップの経済学』同友館
  安田武彦・忽那憲治・本庄裕司・高橋徳行(2007)『テキストライフサイクルから見た中小企業論』同友館
  高田亮爾・上野紘・村社隆・前田啓一(2011)『現代中小企業論増補版』同友館
  植田浩史・桑原武志・本多哲夫・義永忠一(2006)『中小企業・ベンチャー企業論』有斐閣
  渡辺幸男・小川正博・黒瀬直宏・向山雅夫(2006)『21世紀中小企業論』有斐閣
  清成忠男・田中利見・港徹雄(1996)『中小企業論』有斐閣

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 毎回、参考書の該当ページや講義ノートを読んで復習し、これまで学んだことに関連する新聞・テレビ等のニュースに目を通してほしい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 授業の中で意見交換やディスカッションを行うこともあるので、学生の積極的な参加を歓迎します。
 中小企業の視点から見ると、日本経済の特徴や問題点が見えてくることがあるので、新聞や雑誌などに載っている関連記事に目を通しておきましょう。
 授業中の私語や携帯メールは厳禁とします。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】 
 オリエンテーション:講義の目的と進め方などについての説明
【第2回】
 中小企業の地位と役割:創業の必要性、創業の状況
【第3回】
 中小企業の誕生:開業の決定要因、業種・地域別の創業
【第4回】
 サービス経済化と中小企業
【第5回】
 起業家・アントレプレナー
【第6回】
 中小企業経営の類型
【第7回】
 中小企業の経営課題
【第8回】
 中小企業の戦略的経営
【第9回】
 中小企業の競争戦略
【第10回】
 中小企業の競争地位別戦略
【第11回】
 中小企業の経営革新
【第12回】
 中小企業とマーケティング戦略
【第13回】
 中小企業と財務戦略
【第14回】
 中小企業と人材開発戦略  
【第15回】
 講義のまとめ