Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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国際経営論 I 瀬藤 澄彦
選択  2単位
【経済】 14-1-1120-1943-03

1. 授業の内容(Course Description)

 国際経営論は現在のグローバリゼーションの主役である多国籍企業と呼ばれる企業の経営に関する理論を学ぶことである。そしてその従来の国際経済学のキーワードが「比較優位」だったのに対して、ここでは「競争優位」が現代21世紀の国際経営学の重要概念である。
 授業ではまずなぜ比較優位だけでは国際経済が読めないのかを現代の国際貿易と国際投資の特徴と流れから説明する。国際経営戦略を構築するための代表的なツールである環境分析モデルやSWOTモデルを紹介する。これを日本企業に適用したらどうなるかを一緒に考えたい。産業の特性や企業の特徴によって国際経営のグローバル化が違ってくる。グローバルとローカルの経営戦略モデルはありうるのか。有名なポーターのダイヤモンド・モデルや価値連鎖モデルを使って競争優位を見ていく。企業の国際化はどうしてか、またどのような形態があるのかを考えていきたい。
 後期では前期で学んだ企業戦略を前提に企業の国際的な経営組織のあり方を考えていきたい。前期、後期を通じて基本的な国際経営のツールをすべて習得するようにしたい。これに技術経営や企業統治なども重要であることを授業中に説明したい。
 前・後期とも時間配分を勘案しながらDVDなどで関連した動画を見て現場の感覚を養う。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 なぜ競争優位なのか。国際経営にとって競争優位を築くためにどのように環境分析と診断を行うのか。同時に企業内部のコンペタンスにも対応する企業経営の国際化が求められる。前期ではこうした企業が国際戦略を構築するための企業内外の環境分析をポーターやデニングなどのモデルをマスターするようにする。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 定期試験70点 小テスト10点 出席・受講態度20点

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト
 前期と後期を通じて 『21世紀の国際経営学入門』瀬藤澄彦著 彩流社 『多国籍企業のグローバル価値連鎖~国際経営戦略論の系譜』瀬藤澄彦著 中央経済社 の2冊を併用

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 ・事前に次回の授業テーマを教科書などを通じて予習してきて欲しい。
 ・授業内容に対応した具体的事例を次回までに新聞、雑誌、TV、ネットなどで企業を探して欲しい。
 ・なるべく英語でもどう表現するのか常に心がけて欲しい。将来、必ず役に立ちます。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 毎回、授業内容のパワーポイントのコピーを配布する。関連資料も機に応じて用意する。
 しかしこれはあくまで要約的なもの、それぞれ自分で書物、インターネット、図書館などで補強することが必要です。ノートを作り上げることが重要です。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス 講師自己紹介 CVの重要性 
 前期・理論 後期・応用
【第2回】
 国際経営の基本的考え方 管理・組織・戦略
【第3回】
 国際貿易理論の系譜と国際経営の4つの領域
【第4回】
 寡占構造の国際貿易と多国籍企業貿易 競争優位と国際競争力
【第5回】
 グローバル・マクロ環境要因分析 PESTELモデル SCPモデル SWOTモデル 
【第6回】
 GL(グローバル・ローカル)戦略と製品市場のグローバル化
【第7回】
 ポーターのダイヤモンド・モデル 日本産業の競争優位
【第8回】
 ポーターの5つのフォース プロダクト・ポートフォリオ
【第9回】
 価値連鎖のグローバル化と4類型モデル
【第10回】
 買収・提携によるグローバル化経営 企業間ネットワーク論
【第11回】
 日本企業のグローバル経営意識 海外直接投資の定義
【第12回】
 多国籍企業の段階的海外戦略 コーポレート・ストラテジー理論
【第13回】
 国際プロダクト・サイクル論 
【第14回】
 海外直接投資の理論的説明  OLI理論
【第15回】
 国際経営グローバル環境分析と企業態様の整理(第1回~14回のまとめ)と国際経営論Ⅱとの連関性