Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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経営史 I 飯塚 陽介
選択必修  2単位
【経営】 14-1-1120-2715-07

1. 授業の内容(Course Description)

 本講義では、『ビジネスの歴史』に準拠しつつ、19世紀以降の欧米諸国及び日本におけるビジネスのあり方を概論します。春学期は、日米欧における「現代企業」の出現にいたる時期までを対象とします。本講義は歴史の講義ではあるけれども、網羅的かつ微細な知識の提供を主たる目的とはしていません。むしろ、ビジネスのあり方における時代・地域に応じた多様性をそれを生み出した背景とともに知ることで、現在のビジネスのあり方を相対化し、将来の発展方向を予見する上で有効な考え方を修得することを目的としています。
 それと同時に、履修者には、自分の手と足で主体的に企業の歴史を調査する経験を積んでもらいます。その成果は、学期末に長文のレポートとして提出してもらいます。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 過去に行われていたビジネスや、今現在普及している経営管理手法の出現についての基礎的な知識を習得するのみならず、歴史を回顧することで「通念」にとらわれずに事実を検証する姿勢を修得すること、そして自らの力で企業の歴史を調査する力の獲得を目標としています。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 「講義内の小テスト(2回)」、「期末レポート」及び「平常点」を総合的に評価します。研究計画書と期末レポートの提出は必須とします。期末レポートは、講義中に教わった内容を単に整理するようなレポートではなく、受講生が関心をもつ企業・産業について独自に調査を行った成果の報告書となります。
 【評価の目安】
 研究計画書=10点、期末レポート=50点、小テスト=15点×2、平常点=10点

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 下記の文献を必ず購入してください。
 鈴木良隆・大東英祐・武田晴人『ビジネスの歴史』有斐閣、2004年。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 本講義ではやや長文のレポートを課す予定です。従って、単位を取得する上では、図書館に日々通い、必要であれば学外の資料館や企業博物館などにも足を運ぶといった主体的な履修態度が必要とされます。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 本講義では独自研究を伴う期末レポートの提出を要請しています。私の担当している他講義と比較して、主体的に学ぶ姿勢をとりわけ求める講義となっています。安易に出席をするのみでは単位の修得は不可能です。独自の調査を行うことは未知の経験という履修者も多いでしょうが、MELICにも収蔵されている社史類を利用したり、各地の企業博物館を訪問してみてください。なお、調査テーマについての重複は、講義中になるべく調整をします。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 ※授業計画は講義中に変更する可能性があります。とりわけ本年度は開講初年度ですので、大きな変更の可能性があります。事前にご了承ください。
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 個人研究についてのガイダンス
【第3回】
 「工業化と多元的発展」
【第4回】
 「市場経済とビジネスの発展方向」
【第5回】
 「19世紀の金融・サービス」
【第6回】
 「19世紀の労働と雇用」+研究計画書の提出
【第7回】
 研究計画の調整と指導+「大量生産体制への途」
【第8回】
 小テスト+「垂直統合とアメリカの現代企業」
【第9回】
 「アメリカ企業と経営階層組織」
【第10回】
 「アメリカにおける経営者企業の成立」
【第11回】
 「ヨーロッパにおける現代企業の登場」
【第12回】
 「ヨーロッパ大企業の組織と管理」
【第13回】
 「日本における大企業の登場」
【第14回】
 「日本の企業と財閥」
【第15回】
 小テスト+期末レポートの提出