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授業の内容(Course Description) |
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比較経営史を、グローバルな視点から講義する。先進国の経済発展の体験が発展途上国(新興国)の工業化に与える影響を考察する。その際、19世紀に「産業革命」という人類史上「最初の工業化」を成し遂げたにもかかわらず、その後の新産業の育成に失敗し経済が停滞した英国、大量生産・大量販売によるビッグ・ビジネス体制を作り上げて20世紀の世界経済の中心国となったものの、多国籍化や環境問題などを発生させた米国、後発国として政府の主導の下に国際競争力をもつモノ作りの経済を発展させたものの、近隣諸国のキャッチ・アップで苦境に立つ日本、以上の3カ国の経済と経営がたどった経路を解説する。秋学期のIIでは、日本経営史を集中的に取り上げて、その発展と特徴を分析して、発展途上国経済の工業化の教訓としたい。とくに「高度成長」期の史実などは、有用であろう。本特講は、通年で履修することが望ましい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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○比較史的な観点から、日本の工業化の特徴を掴む。 ○日本における経営発展の特徴となる、財閥、総合商社、生産システムの中身を具体的に把握する。 ○日本が欧米諸国から学んだ制度や技術の移転過程を理解して、日本とアジア諸国の今後の経済関係を考える。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席と授業時の発言による。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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特定の教科書は使用しません。配布するスライドレジュメを見ながら、一緒に考えて下さい。参考文献としては、以下のものを挙げますが、授業でも適宜紹介します。とりあえず、全般的な文献として、経営史学会編『外国経営史の基礎知識』と『日本経営史の基礎知識』(有斐閣)を紹介しておきます。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業で紹介する参考文献を読書してみて下さい。講義の理解が深まります。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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担当教員が時間をかけて収集したヴィデオ教材も活用します。オフィス・アワー時の研究室訪問を歓迎します。積極的に利用して下さい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容や参考文献の説明 【第2回】 日本経済の発展と「高度成長」 【第3回】 企業システムI(財閥の形成) 【第4回】 企業システムII(財閥の発展) 【第5回】 企業システムIII(企業集団の成立) 【第6回】 「日本的経営」 【第7回】 家電I(松下電器の事業部制) 【第8回】 家電II(コンピュータ産業) 【第9回】 自動車(トヨタ生産方式の誕生) 【第10回】 総合商社 【第11回】 流通業(百貨店・スパーマーケット) 【第12回】 食品・タバコ(国際経営への途) 【第13回】 銀行業 【第14回】 【第15回】 講義のまとめ
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