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授業の内容(Course Description) |
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わが国におけるサービス経済化が達成されてからすでに数十年の年月が過ぎています.また,サービス産業と一口に言っても,そこにはさまざまな産業が含まれています.もっと言えば,第1次産業と第2次産業に含まれないすべての産業を包含してサービス産業と呼んでいるといっても過言ではないほどです.そこで,この講義では,サービスがモノとは異なりどのような固有の性質,言い換えればサービスの本質を明らかにし,サービスに独特の(モノにはない)現象・事象とは何かを説明しながら,サービスのマネージメントのために必要な基礎的な知識の習得を目指したいと考えています.というのは,サービス固有の性質とそれから派生する独特な現象が理解されるならば,サービスをどうマネジメントしていく必要があるかが必然的に理解されると考えられるからです.
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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受講生がサービスの本質の理解とサービス固有の性質から派生する固有の現象を理解し,それを分析することを可能にし,それを通じてサービスとはいったいどのようなものなのかを自ら理解可能になること..
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席を40%,期中の小レポートを30%,期末の試験を30%のウエイトとして,成績は評価します.
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しないが,講義時に毎回プリントを配布する. 参考書:井原哲夫著『サービス・エコノミー』東洋経済新報社,田中滋監修・野村清著『サービス産業の発想と戦略 ―― モノからサービス経済へ』ランダムハウス講談社.
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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サービスは極めて捉えにくいという性質を持っていますから,受講後には毎回必ず復習をし,理解を完全にしておくことが必要です.
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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休まずに毎回必ず出席すること.
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 サービスに独特の現象とはなにか:購入したいときに購入できない.サービス業は集中して立地する傾向が強いのはなぜか. 【第2回】 サービス固有の性質とは何か:サービスとモノとの比較を通じてサービスの本質に迫る. 【第3回】 サービスの特殊性から派生する現象とは:在庫が存在しないとサービス市場は分断されるが,その分断は需要者がつなぐ. 【第4回】 サービスの供給側の対応とは?:サービスは過剰供給と過剰需要が生じやすい. 【第5回】 サービス購入者の行動:サービスの需要時間は何が決めるのか.その決定は需要時間の振替費用である. 【第6回】 サービスの競争とはなにか?:サービスが良いとは何を意味するのか.サービスは情報提供が必要. 【第7回】 サービス経済化とは何を意味しているのか?:サービス経済化とはモノが生産されなくなることか.第2次産業におけるサービス化とは? 小レポートの課題とレポートの書き方の説明. 【第8回】 サービスの生産性とはどう測るのか?:サービスの生産効率は上昇させることが可能か.サービス生産の技術革新は存在するか. 【第9回】 サービス産業はしばしば集中して立地するというのは本当か?:商業集積と需要者の買い物コスト.サービス需要は街づくりに貢献するか. 【第10回】 サービス化は都市化を意味するか?:都市化発生のメカニズムとは.移出型サービスと域内消費型サービス. 【第11回】 サービス生産における分業化は可能か?:サービスの取引は4次元で行われる.情報化がサービス生産の分業化を促進させた. 【第12回】 サービス経済化社会は予約社会か?:サービスはなぜ予約を必要とするのか? 【第13回】 サービス経済化社会では人々は時間を買う.人の移動とサービス.時間価値とは何か? 【第14回】 サービスの公共性とは何か?:サービス供給には規制が多いとは本当か. 【第15回】 春学期のまとめと期末のテスト.
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