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授業の内容(Course Description) |
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秋学期は,春学期に学んだことの復習とより進んだ勉学に心掛け,経済学の基本的な考え方の習得を目指して,プレゼンテーションと受講生の間でのディスカッションをさらに重ねていきたいと思います. 特に,秋学期では,完全競争市場が持っている望ましい点とは何か,政府の市場への介入の効果あるいは帰結,市場は万能ではなく,ときにはうまくその機能を発揮できなくなること,そしてそのような場合には政府の力が必要になること,また市場が十分に機能しなくなる代表的な問題としての外部性と公共財,財・サービスが存在すると何が主ずるか,さらに情報が不完全であると何が生じるか,そして最後に近年急速に進歩しつつあるゲーム理論の基礎について学んでいきたいと考えています.
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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経済学の基礎的諸概念の正確な理解とその応用を受講生が学ぶことを通じて,これまで経済学的な課題のとは考えられてこなかったいくつかの問題を,受講生が経済学的に説明可能になること.
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席を40%,各自のプレゼンテーションを30%,そして期末のレポートを30%として評価する.
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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春学期に引き続き,テキストとして安藤至大 著 『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣を利用する.
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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予習・復習を欠かさずにすること.新聞等の経済記事を読むこと.
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席を必ずすること.ものごとを「自分自身が考える」ことを励行すること.
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 受講上の諸注意と秋学期の計画:春学期に学んだことの復習 【第2回】 市場均衡とその効率性 【第3回】 完全競争市場の効率性 【第4回】 政府の介入とその帰結 【第5回】 市場の機能マヒと政府の支援 【第6回】 市場のみならず政府も失敗するかもしれない:政府は万能でない. 【第7回】 独占はなぜ悪いといわれるのか:完全競争市場における価格と生産量と独占のケースのそれらとの比較. 【第8回】 市場が存在しないと何が生じるか:ある経済主体の経済活動が他の経済主体にプラスのあるいはマイナスの影響を及ぼすことがある.そのような場合にはそれを解消するためにどのような手段が考えられるか. 【第9回】 財・サービスが持っている性質による財・サービスの分類:公共財の基礎理論の説明. 【第10回】 我々は情報に取り巻かれて生活しているが,多くの場合その情報は不完全である. 【第11回】 非対称的情報の存在は市場を成立させなくするかもしれない.その事例を用いた説明. 【第12回】 非対称的情報の存在は,同一の財・サービスに複数の価格を成立させるかもしれない. 【第13回】 ゲーム理論とは何か? 【第14回】 囚人のジレンマとナッシュ均衡の説明 【第15回】 秋学期のまとめとレポートの課題に説明およびレポートの書き方.
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