Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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観光学特論 II(観光地景観論) 今野 久子
選択  2単位
【観光経営】 14-1-1130-3754-04

1. 授業の内容(Course Description)

 景観の楽しみは、現在のまち・暮らしの姿はもとより、その背景にある地域の歴史・文化やまちを取巻く自然・風土も一体となって、より印象的に味わうことができる。地域景観の価値を発見・共有し、観光・まちづくりに活かす取組みは、時代に応じて地域が変容するなかで各時代に求められてきた都市的機能や利便性との折合いをつけつつ、各地で様々に模索されてきた。
 本講義では、導入として景観の捉え方や景観形成に関わる主な制度の変遷について紹介する。そのうえで、我が国の主な観光地の景観の成立ち・特徴を概説する。併せて、景観形成に資する取組みについて、各地の実践例の中から主な計画・制度の活用やまちづくり活動の内容について概説する。対象は、景観を重要な観光資源としていること、景観形成の取組みが観光に結びついていること等の観点から観光分野の各論説で紹介されることが多いものを中心に取上げることとし、観光を学ぶうえでの基礎的理解を得られるようにしたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①我が国の主な観光地の景観的な成立ち・特徴に関心を持ち、説明することができる
 ②景観形成に関わる制度・仕組みの内容について、概要を説明することができる
 ③観光地の景観形成に関わる制度やまちづくりの動向を踏まえ、自らが選ぶ特定のまちを対象に、景観の特徴と観光・まちづくりへの活用について意見を述べることができる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 リアクションペーパーが20%、振り返りシート作成が10%、中間試験が20%、期末試験が50%として評価する。試験は、自らが作成した振返りシートのみ持ち込み可とする。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 基本的にはパワーポイントに基づいた講義とする。参考文献は授業のなかで適宜紹介するが、より関心を深めたい人向けに代表的・古典的な入門書の一部を以下に示す。
 ・樋口忠彦(1975)『景観の構造 ランドスケープとしての日本の空間』技法堂出版
 ・中村良夫(1982)『風景学入門』中公新書、同(2001)『風景学・実践篇』中公新書
 ・西村幸夫編(2003~2004)『日本の町並みⅠ~Ⅲ(別冊太陽)』平凡社
 ・西村幸夫+町並み研究会(2008)『日本の風景計画』学芸出版社
 ・グッド研究所・学芸出版社 企画・編集(2003~刊行中)『季刊まちづくり』学芸出版社 など

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 日頃何気なく訪れる街の景観を改めて意識的に見直し、街歩きを楽しみ、好き(嫌い)な場所、町並み、建築・土木施設、歴史・文化・産業、地名、地形などに関心をもつこと。よく観察したり調べたりすることを通して景観的な特徴を捉え、観光資源としての活用について考えることなどの習慣を持つよう努められたい。
 各地の景観・まちづくりの話題にも積極的に関心を向けられたい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 講義の妨げとなる行為をつつしむこと。特に他の受講学生に迷惑となる私語は退席を願い、評価の減点対象となるので留意してほしい。
 旅先などでも、各地の景観的な特徴と観光資源としての活用上の課題や取組みについて、授業で得られた知見と照らして考える問題意識を培われるよう期待している。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 授業の全体構成の解説
【第2回】
 景観とは(定義、捉え方など)
【第3回】
 景観形成に関わる制度概要
【第4回】~【第7回】
 観光地景観の成立ち
【第8回】
 授業のまとめおよび中間試験
【第9回】~【第14回】
 観光地の景観形成の取組み方策
【第15回】
 授業の総括および期末試験