Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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国際法特講A 則武 輝幸
選択  2単位
【法律】 14-1-1210-0420-07

1. 授業の内容(Course Description)

 第二次世界大戦までは、人権問題は原則として国内問題として扱われ、国際法によって規律されることはほとんどなかった。しかし、ナチスドイツの大規模かつ組織的な人権侵害を見逃したことが、第二次世界大戦の一因となったという反省から、平和と人権は切り離して考えることができないという認識が生まれ、第二次大戦後は、国家に人権の保護を義務付け、実施のための手続きを定める国際法、すなわち国際人権法が急速に発展を遂げてきた。国際法特講A(2003年度までの国際法特講 I)では、これらの国際人権法について、基本的な知識の習得を目指して、最新の具体的事例を踏まえて講義する。なお、この科目は2002年度までは4年次配当であったが、2003年度より3・4年次配当、2006年度より3年次配当となったので、3年生でも履修可能である。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①国際法のより高度な発展科目として、国際人権法の形成と発展の過程について理解できるようになる。
 ②国際法のより高度な発展科目として、人権の国際的保護のための法的枠組みについて理解できるようになる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 原則として、期末試験のみで評価する。中間試験やレポートは実施しない。ただし、CかDか判断に迷う場合には、出席状況を参考にすることもある。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:『国際人権法』 渡部 茂己 編著(国際書院)
 昨年度よりメインテキストを変更しているので、2010年度以前入学の諸君は注意されたい。
 参 考 書:『人間の法的権利』 ポール・シガート 著、初川 満 訳(信山社)
      『国際人権法概論』 初川 満(信山社)
      『テキストブック国際人権法(第3版)』 阿部 浩己・今井 直(日本評論社)
      『人権法入門―国境をなくす「人権」―』 萩原 重夫(明石書店)
      『国際人権法入門』 トーマス・バーゲンソル 著、小寺 初世子 訳(東信堂)
      『国際人権入門』 横田洋三編(法律文化社)
      『ブリッジブック国際人権法』 芹田健太郎・薬師寺公夫・坂元茂樹(信山社)
      『国際人権・刑事法概論』 尾崎 久仁子(信山社)(2012年度までのテキスト)
 その他、講義の中で適宜指示する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 必ず教科書・プリントで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
 教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 ①国際法(歴史・法源)(国際公法A)、国際法(主体)(国際公法B)、国際公法C・D 、国際法特講 B、国際政治学 A・B 、外交史 A・B 、国際組織法A・B、国際紛争処理法 A・B 、国際関係論Ⅰ/ A・Ⅱ/B 、刑事政策。ことに国際法(歴史・法源)(国際公法 A)、国際法(主体)(国際公法B)は単位を既に取得しているか、または並行して履修していることが、極力望ましい。
 ②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
 ③テキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためにプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。
 昨年度より大きく構成が変わっているので、2010年度以前入学の諸君は注意されたい。
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】~【第6回】
 人権の国際的保護の歴史①~⑤
【第7回】・【第8回】
 人権保障と国連システム①~②
【第9回】・【第10回】
 人権保障のための普遍的条約①~②
【第11回】
 人権保障の地域的条約
【第12回】
 女性の権利
 子どもの権利
 労働者の権利
【第13回】
 難民の権利
 先住民族の権利
 開発と人権
【第14回】
 国際人道法(プリントで補足)
【第15回】
 国際刑事裁判所(プリントで補足)
 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。