Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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これからの学校教育と教育政策・行政 御手洗 康
選択  2単位
【教職大学院】 14-1-1331-3252-02

1. 授業の内容(Course Description)

 臨時教育審議会(1984~1987年)以降の教育改革の過程をたどりながら、この間に実施された主要な教育政策について学び、社会の変化と学校教育の関係について考える。
 また、具体的な政策の立案と推進過程の学習を通して、教育と政治、教育における地方自治、学校と教育委員会や地域社会との関係、教育予算と教育条件の整備など教育行政の基本的な仕組みと教育改革の現状について学び、これからの学校教育の在り方について考える。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 〈A類学生〉
  ・教育改革の意義と主要な教育政策の内容を理解することにより、公教育制度としての学校教育と教員の使命に対する理解を深めるとともに、教育行・財政の基本的な仕組みと機能、学校と教育委員会の関係、初等中等教育における国の役割と地方自治との関係について理解し、社会の変化に対応した学校の役割とこれからの学校の在り方について協議する。
 〈B類学生〉
  ・上記に加えて、教育政策の立案・推進の過程について具体的な事例を通して理解することにより、学校経営及び教育委員会行政に必要な基礎的な素養を身につける。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 出席回数と授業への参加度及び発表の内容で評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト: 特定のテキストは使用しないが、授業ごとに、事前に必要な資料を配付する。
 参考文献: 教育基本法研究会(田中壮一郎監修)『逐条解説 改正教育基本法』(第一法規)
       樋口修資『教員・教職志望者のための 教育法の基礎-教育政策の法制・組織・財務-』
       (明星大学出版部)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 参考文献及び事前に配布する資料等を読んで授業に参加すること。また、授業で発表するための資料を準備してもらうことがある。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 ゲスト・ティーチャーとして現職の行政官などの授業への参加を予定しているので、授業のテーマごとに自分の意見や質問などを準備して授業に臨むこと。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
 ・学校の目的や教育委員会の役割、国と地方の役割分担などについて自由に協議し、授業の目標を明確にする。
【第2回】
 学校と教育委員会・教育行政(講義と協議)
 ・学校の設置管理、教育委員会制度の仕組み、教職員の身分など教育法制と教育行政の基本的な事項について学び、公教育制度と学校運営の在り方について協議する。 
【第3回】
 教育基本法と臨教審の設置(講義と協議)
 ・教育基本法制定の意義及び昭和46年の中教審答申と臨教審設置の経緯について学び、政治や社会の変化と教育の関係について協議する。
【第4回】
 臨教審答申と教育改革(発表と協議)
 ・臨教審答申以降の学校制度の改革(幼児教育、特別支援教育、小中連携教育、中高一貫教育、単位制高校・総合学科、学区制の弾力化など)について学び、現状と課題について発表し、協議する。
【第5回】
 教育基本法の改正①(講義と協議)
 ・教育基本法の改正に至る具体的なプロセスについて学び、教育と政治との関係、教育の政治的中立性について協議する。
【第6回】
 教育基本法の改正②(発表と協議)
 ・教育基本法の改正の意義と内容について学び、今後の我が国の教育の課題や学校教育に期待される役割について発表し、協議する。
【第7回】
 教育振興基本計画①(講義と協議)
 ・国の教育振興基本計画の策定プロセス及び内容について学び、現在の学校教育の課題について協議するとともに、最終回の授業での発表のための準備をする。
【第8回】
 「国旗・国歌法」の制定(発表と協議)
 ・学校教育における国旗、国歌の取り扱いの変遷と諸外国の状況及び「国旗・国歌法」制定の経緯と意義について学び、グローバル社会における愛国心や教育と国家との関係について発表し、協議する。
【第9回】
 学校5日制の実施(講義と協議)
 ・学校5日制の社会的な背景及び完全実施に至る経緯と「土曜授業」等の現状について学び、社会と学校の役割について協議する。
【第10回】
 学校制度の改革(講義と協議)
 ・教育再生実行会議、中央教育審議会などにおける学校教育制度の改革の審議の経過について学び、今後の学校制度の改革の方向について協議する。
【第11回】
 教育委員会制度の改革と教育の地方分権の推進(講義と協議)
 ・平成11年の「地方分権一括法」以降の教育の地方分権と学校の自主性・自立性の確立などにつて学び、現在進められている教育委員会制度の改革について協議する。
【第12回】
 教育振興基本計画②(発表と協議)
 ・国及び都道府県、市町村の教育振興計画を調べ、特定の課題(テーマ)を選んでその現状について発表し、協議する(15回目の授業の事前の準備)。
【第13回】
 義務教育費国庫負担制度と教職員定数の改善(講義と協議)
 ・義務教育費国庫負担制度と県費負担教職員制度、教職員定数と学級編制基準の改善について学び、教育行政における国と地方、都道府県と市町村の役割分担につて協議する。
【第14回】
 義務教育費国庫負担制度の改革と教育財政(講義と協議)
 ・「三位一体改革」による義務教育費国庫負担制度の改革と国・地方の教育予算の現状について学び、地方教育行政における首長と教育委員会の関係、教育財政の役割等について協議する。
【第15回】
 教育振興計画③(発表と協議)
 ・14回目の授業で発表した特定の課題(テーマ)についてレポートの発表と協議を行う。
 
 ≪A類学生≫
  選んだ特定の課題(テーマ)の計画の内容、現状と問題点、課題などについて簡潔にレポートをまとめて発表する。
 ≪B類学生≫
  選んだ特定の課題(テーマ)について、教育委員会又は学校における推進方策、実施計画、具体的な取組みなどについて、自分考えをまとめてレポートにし、発表する。