1. |
授業の内容(Course Description) |
|
この日本史演習3C-Ⅰは、日本中世後期である戦国時代の政治・社会状況が、比較的わかりやすく具体的な形で記載されている当時の史料(文書・日記など)の内容を題材とし、それについて受講学生諸氏が自ら判読・解釈し、あるいはそこから読みとれる事実を解説し、さらに関連する書籍・論文などを参考文献として読み合わせ、論点・問題点の指摘を行うものである。また加えて担当教員と学生による質疑応答・議論を行う。 進行方法として、参加学生全員はまず幾つかのグループに分かれてもらい、その各グループ成員が分担して、史料の担当部分の本文(活字版)の読みと現代語訳、意味の解釈、内容に含まれる人名・地名・語句などの調査、論点の指摘と説明、さらに参考文献の説明等を、数枚程度のレジュメを作成・配布して行うことになる。各グループは半期で2回はその報告を担当すること。 前期のこの時間は、戦国時代前期の京都・畿内の史料を扱いたいと考えている。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
上のような作業を、グループ単位で学生が主体的に調査・報告することにより、前年履修の史籍講読と合わせてある程度の古文書解読・解釈能力を獲得し、また必要な関連書籍・論文などを探し出してその要点をいち早く把握・記載するという過程を経験する。学生はその一連の方式を知り、自らの卒業論文作成に生かすことができるようになる。またそうした情報取得・整理・分析・報告・議論の経験が、将来的には社会人としての仕事能力向上にも役立つようにすることを目標とする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、グループ報告の内容や、前期授業時間の最後に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキストは使用しない。必要な場合には、担当教員が適宜プリントを作成して配布する。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
ある程度の古文書(活字)読解能力が必要になるので、以前学習した史籍講読の史料の再読学習が有効。また古文書学などの授業を事前に、あるいは本演習と並行して受講しておくなど、自分で能力を高めていく自主的努力が期待される。また戦国期に関する各種の書籍を読んでおくことが、当時の社会背景を理解する上で、対応力を高める基となる。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
演習であるから、報告は参加学生全員の義務になる。前期に必ず2回グループ報告があたるので、その際には報告内容を記したレジュメを人数分用意しておくことが必要。グループ分けが行われる第1回の授業には、必ず出席すること。 また下の授業計画はあくまで予定であり、授業の進行具合によっては変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 ガイダンス。使用する史料の概要紹介やその背景説明、解読・調査していく際の注意事項、さらに関連する書籍・論文等の指摘などを行う。またグループ分けの実施。 【第2回】~【第14回】 以下順次割り当てに従って、グループによる報告実施。そののち教員と参加学生による質疑応答・議論。必要ならば教員による補足的説明を行う。 【第15回】 前期のまとめと試験。
|