Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本史籍講読3C- I 深谷 幸治
選択必修  2単位
【史】 14-1-1340-1602-11

1. 授業の内容(Course Description)

 この授業は、日本中世の史料を中心として、その前後の時代である平安期や江戸期をも含めた活字史料の解読・現代語訳をしていくものである。授業進行の方式は演習に准ずるものとする。つまり参加学生には数人のグループを作ってもらい、そのグループごとに担当する史料を決め、読み下しと現代語訳、登場する人名・地名・事項名、史料自体の筆者や成立時期の時代背景などについて調査し、その内容をレジュメにして毎回交替で報告してもらうという形式である。その上で担当教員の解説や学生諸氏との議論を行う。読み下しについては、全員の読解力向上をはかるため、そのときの担当グループ以外の者も指定して読んでもらうこともある。
 当然ながら、日本史前近代の史料は当時の人々が書いた和風漢文か古文、またはそれらが混交したものになり、それらは漢字の旧字体(正字体)で書かれているので、参加学生はある程度の旧漢字の知識、また漢文法・古典文法の知識を持っていることが、読解の前提となる。それらの基礎的知識を確認するため、文法などの講義をする時間も少々取りたい。前期に使用する史料は、古代から中世中期頃までの書状・記録・日記・文学作品など。昨年度の事例では、源氏物語・鎌倉幕府関係文書などを読んだ。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 実際に中世の人々が書いた史料の中身に触れ、その解読と意味などの調査・分析能力を高める。それによって、参加各学生の専攻分野での演習報告や卒業論文作成時の、知識・技術両面での対応能力を向上させることを目標とする。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、前期授業時間の最後の時間に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用しない。解読の対象となる必要な史料は、担当教員が毎回プリントを作成して配布する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 和風漢文・古文、また漢字の旧字体が読解の対象なので、それらを読み解ける基礎的知識が必要。普段から多くの歴史関連書籍や古典文学を読んでおくこと。また高校時代の漢文・古文の教科書を取り寄せ、自主的に復習しておくことが望ましい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 中世という時代そのものの内実に切り込む授業であるから、学生には積極的な参加を期待したい。また前期に少なくとも1回はグループ報告を担当することが義務であるため、その際には現代語訳や語句の意味などの調査内容を掲載したレジュメを用意してもらうことになる。
 なお下の授業計画はあくまで予定であり、授業の進行具会によっては変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス。史料読解の際の注意事項などを説明する。またグループ分けや担当の割り当てなどを行う。時間に余裕があれば、文法解説など必要な講義に入る。
【第2回】・【第3回】
 この授業に必要となる、漢文法・古典文法、また古文書学などの要点を講義する。
【第4回】~【第14回】
 順次割り当てに従って、グループ別に報告してもらう。また学生との議論、教員による補足的説明など。
【第15回】
 前期のまとめと試験。