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授業の内容(Course Description) |
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前期の「ジャーナリズム論Ⅰ」に引き続き、社会学的視座からジャーナリズムを社会的行為の一種としてとらえながら考察していく。特にマス・メディアが、事件・出来事の報道・論評・解説を通じて現実を構築していく過程について、具体的な「社会問題」に関する事例をもとに議論を行っていく。また、ジャーナリズム論に関する論文執筆のための基礎的知識についても解説していく予定である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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規範的なジャーナリズム論とは別の観点から、ジャーナリズムについて議論できるようになること。ジャーナリズム研究に関する卒業論文を執筆するための基礎的素養を身に付けられるようになること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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基本的には期末試験(7~8割)、および課題レポート(2~3割)をもとに評価を行う。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト 藤田真文編(2011)『メディアの卒論』ミネルヴァ書房 大石裕・岩田温・藤田真文(2000)『現代ニュース論』有斐閣アルマ 参考文献 大石裕(2005)『ジャーナリズムとメディア言説』勁草書房 山口仁(2011)「社会的世界の中の『ジャーナリズム』」『帝京社会学』第24号 小林直毅編(2007)『「水俣」の言説と表象』藤原書店 このほかに、適宜、資料を配布することがある。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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新聞データベースを用いた課題調査レポートの作成。テキストの指定範囲、配布資料の予習。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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専門的・応用的な内容が多くなり、その内容も難解になるので、前もって「ジャーナリズム論Ⅰ(ジャーナリズム概論)」を受講しておくことが望ましい。また、関連分野である「マス・コミュニケーション論Ⅰ・Ⅱ(担当:山口仁)」を受講しておくと、本講義の理解が深まると考えられる。なお、講義中に他者の権利を侵害したとみなされる学生に対しては退出を命じるので注意すること。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 導入:ジャーナリズム論で卒業論文を書くために 【第2回】 ジャーナリズム研究のアプローチ:史的アプローチ 【第3回】 ジャーナリズム研究のアプローチ:言説分析・内容分析 【第4回】 ジャーナリズム研究のアプローチ:受け手分析 【第5回】 ジャーナリズム研究のアプローチ:送り手分析(個人) 【第6回】 ジャーナリズム研究のアプローチ:送り手分析(産業・企業) 【第7回】 ニュースが作り上げる現実:事実の選択と排除の過程(1) 【第8回】 ニュースが作り上げる現実:事実の選択と排除の過程(2) 【第9回】 社会問題とマス・メディア報道:水俣病事件報道(1) 【第10回】 社会問題とマス・メディア報道:水俣病事件報道(2) 【第11回】 不確実性下におけるジャーナリズム像の変容:ダイオキシン問題報道を事例に 【第12回】 構築される「ジャーナリズム」(1):ジャーナリズム批判という行為 【第13回】 構築される「ジャーナリズム」(2):所沢ダイオキシン汚染報道を事例に 【第14回】 ジャーナリズムと多重的な現実構築 【第15回】 総括・まとめ
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