Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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犯罪心理基礎論 井上 恭男
選択  2単位
【心理】 14-1-1360-3270-04

1. 授業の内容(Course Description)

 犯罪心理学は、犯罪や非行(反社会的行為)を取り上げた学問で、犯罪学の一分野として出発したが、心理学の発展と共に、現在では応用心理学の一分野になっている。そして、犯罪と直接関わる諸機関の要請に応えて、警察等の犯罪捜査・防犯の分野、裁判所関係の分野、矯正・保護の分野などで、犯罪原因の探求や犯罪者理解に主眼をおいた研究が多くなされてきている。
 この犯罪心理基礎論では、そうした犯罪心理学そのものよりも、犯罪心理学を学ぶために必要な基礎的な知識を取り上げて紹介することに主眼を置きたい。したがって、犯罪に関わる科学的研究の歴史的展開、各種理論、犯罪統計の見方、犯罪者・非行少年の処遇など、犯罪に関わる様々な分野から話題を取り上げ解説していきたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 犯罪や非行を客観的に理解する基礎的な知識を学び、偏見を持たずに犯罪や非行を理解することができるようになる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 試験80%、授業参加状況20%とする。
 試験答案の評価については、単なる知識の程度ではなく、講義で得た知識をもとに、犯罪や犯罪者についての理解をどの程度深めているかに重点を置く。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 参考文献:藤岡淳子 編『犯罪・非行の心理学』有斐閣
      大渕憲一 著『犯罪心理学』培風館
      越智啓太 著『犯罪心理学』サイエンス社
      細江達郎 著『知っておきたい最新犯罪心理学』ナツメ社
      矢島正見ほか編著『犯罪社会学入門』学陽書房
 必要に応じて、資料等をコピーして配布する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 日常的に報道されている犯罪や非行に興味関心を持ち、どのような事件か客観的に把握してみること。また、授業で得た知識等を活用して、犯罪者や非行少年の動機や犯罪に至るメカニズムなどを考えてみること。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 心理的メカニズムや心理検査等の用語が授業の中に出てくるので、受講を希望する者は、少なくとも教養程度の心理学の単位を取得していること。また、後期の「各種犯罪者の心理」の受講を希望する場合は、できるだけこの基礎論の単位を取得すること。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 犯罪・非行とは何か
【第2回】
 現代日本の犯罪動向について
【第3回】
 ①犯罪・非行の理論とは何か ②刑事政策的理論について
【第4回】
 社会的要因からの理論について
【第5回】
 ①社会的要因からの理論について(続き) ②個人的要因からの理論について
【第6回】
 個人的要因からの理論について(続き)
【第7回】
 パーソナリティ障害と犯罪・非行について
【第8回】
 発達障害・精神障害と犯罪・非行について
【第9回】
 犯罪・非行にかかわる各種行政機関について
【第10回】
 犯罪・非行分野における個別的査定について
【第11回】
 ①矯正教育について ②少年院の処遇について
【第12回】
 ①少年院の処遇について(続き) ②刑務所の処遇について
【第13回】
 犯罪者・非行少年に対する社会内処遇について
【第14回】
 犯罪心理学の研究法等とエビデンスについて
【第15回】
 まとめ