Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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一般教養セミナー I 土持 ゲーリー 法一
【Ⅰ】  2単位
【Ⅰ 大学での学び方】 14-1-3082-2740-01

1. 授業の内容(Course Description)

 この授業は、フリップトクラスルーム(反転授業)で行います。
 大学における「教養」とは何か。高校までの授業とどう違うのか。大学では「生徒」から「学生」に名称が変わるだけではありません。「学びの転換」が必要になります。この授業では「一般教養セミナーⅠ」と「一般教養セミナーⅡ」を通して、「大学とは何か」「大学教育とは何か」について学生と一緒に考えます。医歯系、法曹系や理工系に限らず文系の学部でも、ほとんどの学生は専門教育を就職の手段ととらえて、就職に直接に結びつかない外国語を含めた教養教育にほとんど関心を示しません。学生だけでなく、社会においても同様です。これは「一般教養」がどのようなものであるかの誤りに起因するものです。この授業では日米大学の比較を通して、「教養教育」がいかに重要であるかを考えます。
 戦後日本の高等教育は、アメリカ型をモデルに導入されたもので、四年制大学、短期大学、大学院、専門職大学院(プロフェッショナル・スクール)のすべてがそうです。アメリカ占領下(1945年~1952年)において現在の学校制度(六・三・三・四制)に改革されました。たとえば、シラバス、学生による授業評価、AO(アドミッションズ・オフィス)入試、オフィスアワー、セメスター制、GPA制などがアメリカから導入されたもので、制度的にも、形式的にも酷似しています。しかし、両国における「教育と研究」には顕著な違いがあります。とくに、一般教養(「リベラルアーツ教育」)についての違いがそうです。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 1)私(学生)は、フリップトクラスルーム(反転授業)の趣旨を理解し、事前準備学修を行い、グループ活動を通してリベラルアーツ的な教養教育が研究に与える影響について説明することができます。(知識・理解)
 2)私(学生)は、日米大学の比較を通して両国の「教育と研究」の違いを説明することができます。(知識・理解)
 3)私(学生)は、各単元の学習をコンセプト・マップで描くことができます。(技能)
 4)私(学生)は、ラーニング・ポートフォリオ(学修実践記録)をまとめることができます。(技能・態度)

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 ラーニング・ポートフォリオと準備確認試験(70%)と筆記試験(30%)によって総合的に評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは、土持ゲーリー法一『ラーニング・ポートフォリオ~学習改善の秘訣』(東信堂、2009年)を使用しますので、必ず、授業時に持参するようにしてください。また、参考文献として、土持ゲーリー法一『ティーチング・ポートフォリオ~授業改善の秘訣』(東信堂、2010年)および同『戦後日本の高等教育改革政策―「教養教育」の構築』(玉川大学出版部、2006年)を使用します。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 この授業は学生の主体的学習を促すために、グループ活動と討論が中心になります。15回の授業に必要な参考文献(DVDを含む)は、すべてMELICに「指定図書」としてリザーブしてあります。学生は、「シラバス(授業時に配布)」で指定されたLMSでの「フリップトクラスルーム(反転授業)の課題」を事前準備学修してきます。事前準備学修ができているかどうかを確かめるための準備確認試験を毎回実施します。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 この授業では学生の主体的な学習が求められ、それを実践するために、フリップトクラスルーム(反転授業)を行います。すなわち、授業では基本的に講義を行いません。講義に必要な内容は、学生が教室外において事前準備学修してから授業に参加することになります。したがって、主体的に学習することを望まない学生は履修できません。私は、授業は教員だけが行うものではなく、学生と一緒に「創る」ものだという考えを重視します。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 イントロダクション
【第2回】・【第3回】
 アメリカの大学におけるリベラルアーツ的な教養教育の原点「リベラルアーツ・カレッジ」について
【第4回】・【第5回】
 日米の授業形態の違いについて NHKビデオ「アメリカのベストティーチャーによる中学校『社会科』の授業」を見ての討論
【第6回】・【第7回】
 日米大学の比較(その1)高校と大学の接続および入学者選抜方法について
【第8回】・【第9回】
 日米大学の比較(その2)カリキュラムについて
【第10回】・【第11回】
 日米大学の比較(その3)大学教授職について
【第12回】・【第13回】
 日米大学の比較(その4)大学の授業改善とファカルティ・デベロップメント(FD)について
【第14回】
 日米大学の比較(その5)ラーニング・ポートフォリオについて(1)
【第15回】
 授業の総括