Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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経済学概論 II 石井 良輔
選択必修  2単位
【経営】 14-1-1110-3808-08

1. 授業の内容(Course Description)

 本科目では、経済学概論Iに引き続き、私たちの日々の生活やビジネス上の課題に対処するための経済学的思考のトレーニングを行う。「経済」という言葉から経済指標の算出方法や経済政策の効果の研究などをイメージする人もいるかもしれないが、実のところ「経済学」の対象はより広い。基本となる原則は単純で常識的なものだが、その単純な論理の積み重ねが、日常の人間行動に潜む謎の解明につながるのである。講義で紹介される事例にはおよそ実践的とは思えないものも多く含まれているだろう。しかし、本科目の受講を通じて経済学的な思考の型を身につけられれば、ものの見方が今までとは違ってくるかもしれない。「知識そのものが役に立つ」のではなく「思考法の習得が大切」なのである。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 下の一連の思考プロセスに馴染むことを目標とする。
  ・問題の本質をとらえて抽象化する
  ・論理的に考える
  ・結果をデータで検証する

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 ほぼ毎回行う小テスト(25パーセント)と期末試験(75パーセント)の結果で評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 特に定めないが、授業準備には下に挙げる文献を参照した。
 Robert H. Frank (1988). The Economic Naturalist - Why Economics Explain Almost Everything. Virgin Books. (ロバート・H・フランク 月沢李歌子(訳) (2007)、『日常の疑問を経済学で考える』、日本経済新聞出版社。)
 John McMillan (1992). Games, Strategies and Managers. Oxford University Press. (ジョン・マクミラン 伊藤秀史、林田修(訳) (1995)、『経営戦略のゲーム理論 交渉・契約・入札の戦略分析』、有斐閣。)
 飯田泰之 (2003)、『経済学思考の技術』、ダイヤモンド社。
 飯田泰之 (2010)、『世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ! 日頃の疑問からデフレまで』、エンターブレイン。
 飯田泰之 (2012)、『思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント』、朝日新書。
 伊藤秀史 (2012)、『ひたすら読むエコノミクス』、有斐閣。
 梶井厚志 (2002)、『戦略的思考の技術 ゲーム理論を実践する』、中公新書。
 中島隆信 (2006)、『これも経済学だ!』、ちくま新書。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 復習に力を入れること。身の回りの興味のある(必ずしも経済には関係ない)現象を、講義で紹介された経済学の言葉で表現する努力をしてほしい。このためには、経済学以外に、対象に関する知識、当事者に関する想像も必要である。こういった作業を通じて、数理的・論理的思考に慣れ、経済学特有の考え方のクセが身につくのである。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 一般的な受講生の場合、漫然と講義に出席するだけでは、わかった気分にはなれるかもしれないが、経済学的思考を身につけられない。つまり試験に合格しない。経済学的思考ができるようになったと主張するには、自分で分析できることが要求される。そのためには、自分で手を動かして問題を解く、きいたり読んだりした説明を文章の切り貼りではなく自分の言葉で説明してみるという作業が不可欠であることに注意が必要である。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 受講生の理解などにより進度・内容を変更することがある。
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 戦略
【第3回】
 先読みと均衡
【第4回】~【第6回】
 知識の階層構造
【第7回】
 割引と時間選好
【第8回】・【第9回】
 リスクと不確実性
【第10回】・【第11回】
 コミットメント
【第12回】・【第13回】
 シグナリング
【第14回】・【第15回】
 スクリーニング