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授業の内容(Course Description) |
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今日ヨーロッパの大半の国はEUに加盟しているため、加盟国の経済の動向はEU経済の動向に大きく規定されている。したがってヨーロッパ経済論は、事実上EU経済論と重なるところが大きい。講義ではまず、EU経済統合の成立と展開、EU経済の仕組み(制度・政策)について説明し、さらにユーロ危機に象徴されるEU経済の現状と課題について説明する。とはいえ、加盟国経済の独自性が与える影響も依然として無視できない。それはユーロ危機への対応に見られる加盟国のスタンスの違いからも明らかである。したがって、講義は主要国(ドイツ、フランス、イギリスなど)の経済の構造、政策、制度、政策理念の違いについて歴史的観点から説明することを併せて課題とする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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ヨーロッパ各国の経済の動向を強く規定しているEUの制度や政策の成立プロセスについて知る。それを通じて、今日のグローバル化した経済の多極化・多層化した構造と状況について理解を深める。また、日本とアジアの地域経済統合の可能性について考える視点を養う。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点:40%(出席状況と授業への熱意) 定期試験の成績:60%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しない。 参考文献:『欧州統合のダイナミズム』(R.フランク著・廣田訳、日本経済評論社);『ヨーロッパ統合とフランス』(吉田徹編著、法律文化社);『現代ヨーロッパ経済論』(田中素香編、有斐閣)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義の冒頭に前回の講義について復習の質問をするので講義プリントに基づいて復習すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ヨーロッパ経済の動向に関する新聞等の情報に関心を持つこと。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 共通政策の展開I 【第2回】 共通政策の展開II 【第3回】 EC通貨協力とスネーク 【第4回】 ヨーロッパ通貨制度(EMS)の成立 【第5回】 ミッテラン政権の誕生とEMSの動揺 【第6回】 ミッテラン政権の転換とドロール体制 【第7回】 1980年代のEC経済と単一市場の形成 【第8回】 ユーロ導入への歩み 【第9回】 ユーロの制度的特徴 【第10回】 ユーロ危機とEU経済I 【第11回】 ユーロ危機とEU経済II 【第12回】 現代イギリス経済の特徴 【第13回】 現代フランス経済の特徴 【第14回】 現代ドイツ経済の特徴 【第15回】 まとめと試験
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