Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本経済論 II 小林 成弘
選択  2単位
【経営】 14-1-1110-3228-14A

1. 授業の内容(Course Description)

 戦後の日本経済は朝鮮戦争をきっかけに急速な発展を遂げ、昭和40年代半ばにはGNPで西独を抜いて自由世界第2位の経済大国となりました。しかし昭和40年代後半に主要国の通貨が固定相場制から変動相場制へ移行して以来絶え間ない円高圧力に晒され、かつて世界屈指の技術力を誇り経済成長の原動力となってきた製造業はいま海外移転や新興国の台頭によって窮地に追い込まれています。貿易収支も昨年は遂に大幅な赤字に転落するなど、日本経済はいまグローバル化する国際経済の中で新たな独自成長戦戦略が求められる極めて重大な転換点を迎えていると言えるでしょう。 
 そこでこの「日本経済論Ⅰ・Ⅱ」では、戦後日本の経済発展の過程を辿りながら、時々の激しく変動する国際経済の中で日本がどのように経済システムを順応させ「技術立国・日本」を築き上げてきたのかを明らかにするとともに、現在の日本が抱える様々な経済問題を、財政、金融、産業、企業経営など多面的に取り上げながら、今後日本がとるべき進路を考えていきたいと思います。
 前期の「日本経済入門Ⅰ」では、主に昭和40年代までの戦後復興と高度経済成長時代を中心に、日本経済の置かれた国際環境や経済・産業構造の変化を辿ります。
 後期の「日本経済論Ⅱ」では、昭和40年代後半に日本を襲ったニクソンショックと石油ショックがその後の日本経済にどのような影響を及ぼし、そして20年後の「平成バブル」発生と崩壊にまで繋がっていったのかをみていきます。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 グローバル化した国際経済社会の中で、日本は今どのような状況に置かれているのか、また日本の近代経済成長の歴史の中で今日の日本経済はどのように位置づけられるのかを、受講者はそれぞれ自分自身の日本経済「像」を描けるようにしてください。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 原則として、①出席状況、②授業への取り組み姿勢、③期末ペーパーテストにより総合評価を行います。なお、授業中の私語など他の学生に対し迷惑となる行為がみられた場合は、大幅な減点となりますので注意してください。
 また、期中に小テストの実施やレポート提出(義務的または任意)を求めることがあります。その結果は加点材料となります。なおレポートに関しては以下の点に留意してください。
 ・詳細(テーマ、分量、提出期限、義務提出か任意提出か...など)は講義の中で指示します。
 ・その内容の質と努力の程度に応じて加点評価します。
 ・ネットからのコピ-&ペーストなど論文作成上の基本的ルールを無視したレポートについては一切加点対象となりません(むしろ総合評価の減点対象になる場合もあります)。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 【テキスト】特に指定しません。
 【参考文献】『入門日本経済』浅子和美・篠原総一編 有斐閣
       『日本の経済発展』南亮進 東洋経済
       その他の参考文献は講義の都度紹介します。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 講義の際に紹介する文献等をできるだけ手に取り読んで、理解を深めてください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 単に授業を聞くというだけでなく、講義を通して自身の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献や統計データに直接あたって調べたり確認てみるといった積極的な姿勢を期待します。
 なお授業中の私語は厳禁です。他の学生に迷惑をかけていると判断される場合は即刻退室を求めます。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

  講義は概ね以下のような内容を予定しています。
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 敗戦からの復興
【第3回】
 ブレトンウッズ体制とガットIMF体制
【第4回】
 戦後アメリカの貿易政策
【第5回】
 戦後の景気変動と産業構造変化
【第6回】
 朝鮮戦争と高度経済成長
【第7回】
 戦後の金融システム
【第8回】
 日米貿易摩擦(繊維)
【第9回】
 ニクソンショックと石油ショック
【第10回】
 国債大量発行時代の到来と金融自由化
【第11回】
 外需依存型経済構造の形成と貿易摩擦
【第12回】
 プラザ合意と円高不況
【第13回】
 バブルと金融危機
【第14回】
 アジアの時代
【第15回】
 WTOと地域経済協定