Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本経済入門 I 小林 成弘
教職  2単位
【教職】 14-1-1110-3228-23A

1. 授業の内容(Course Description)

 日本経済の活力の源泉はモノづくりの技術力にあると言われます。日本人はこれまで "MADE IN JAPAN" に強い誇りを持ってきましたが、日本製品の品質の高さが国際的に評価され日本人自身が「技術立国・日本」を自負するようになったのはせいぜい1980年代以降の話です。この80年代に日本は自動車やハイテク製品で巨額の貿易黒字を生み出しましたが、現在では生産工場の海外移転などの影響も手伝って新興国の激しい追い上げを受け、国内製造業の競争力は急速な低下の危機に瀕しています。現在の日本経済は、歴史的にも地政学的にも大きな転換点に差しかかっているといえます。そこで「日本経済入門Ⅰ・Ⅱ」では日本における「産業発展の歴史」を辿り、明治19年頃に始まる120余年の近代経済成長の過程で、日本の産業経済がどのように今日の国際的地位を獲得してきたのかを、マクロ経済、貿易、財政、金融、産業技術、企業経営といった様々な角度から浮き彫りにしていきます。
 前期の「日本経済入門Ⅰ」では、日本が西洋の近代技術を貪るように取り入れながら経済成長を始めた明治期を中心に日本における近代産業の誕生と発展の歴史を振り返り、現代に通じる産業基盤がどのように形成されてきたのかを明らかにします。 
 後期の「日本経済入門Ⅱ」では、敗戦後残された経済遺産を土台として今日まで70年の間に日本が如何にして世界有数の経済大国に成長してきたのかを振り返り、現代の日本経済の様々な課題について考えていきます。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 グローバル化した国際経済社会の中で日本は今どのような状況に置かれているのか、また日本の近代経済成長の歴史の中で今日の日本経済はどのように位置づけられるのか、受講者はそれぞれ自分自身の日本経済「像」を描けるようにしてください。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 原則として、①出席状況、②授業への取り組み姿勢、③期末ペーパーテストにより総合評価を行います。ただし、以下のような場合は大幅な減点となりますので、十分注意してください。
 ・授業中の私語など、他の学生に迷惑となる行為
 ・授業開始および終了時にカードリーダーで出席登録をしていながら実際には出席していない"中抜け行為"
 また、期中に小テストの実施やレポート提出(義務的または任意)を求めることがありますが、その結果は成績評価の際の加点材料となります。なお、レポートに関しては以下の点に留意してください。
 ・レポートの詳細(テーマ、分量、提出期限、義務提出か任意提出かなど)は講義の中で指示します
 ・内容の質と努力の程度に応じて加点評価します
 ・ネットからのコピ-&ペーストなど論文作成上の基本的ルールを無視したレポートについては、一切加点されないばかりか、かえって総合評価の減点対象になる場合もあります

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 【テキスト】特に指定しません。
 【参考文献】講義の都度紹介します。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 講義の際に紹介する文献等をできるだけ手に取り読んで、理解を深めてください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 単に授業を聞くというだけでなく、講義を通して自身の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献や統計データに直接あたって調べたり確認てみるといった積極的な姿勢を期待します。
 なお授業中の私語は厳禁です。他の学生に迷惑をかけていると判断される場合は即刻退室を求めます。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 講義は概ね以下のような内容を予定しています。
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 明治新政府の経済問題
【第3回】
 近代経済成長の開始
【第4回】
 産業革命と日本の近代化
【第5回】
 在来産業の近代化①(製糸)
【第6回】
 在来産業の近代化②(紡績)
【第7回】
 在来産業の近代化③(製茶)
【第8回】
 近代産業基盤の形成①(造船)
【第9回】
 近代産業基盤の形成②(海運)
【第10回】
 近代産業基盤の形成③(製鉄)
【第11回】
 近代産業基盤の形成④(化学)
【第12回】
 近代産業基盤の形成⑤(石炭)
【第13回】
 近代産業基盤の形成⑥(鉄道)
【第14回】
 近代産業基盤の形成⑦(通信)
【第15回】
 近代産業基盤の形成⑧(電気)