Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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経営システム論 II 鈴木 俊夫
選択必修(23年度以前入学生)/選択(24年度以降入学生)  2単位
【経営】 14-1-1120-3349-18A

1. 授業の内容(Course Description)

 本講義では、現代の企業経営を理解するのに必要な概念や理論を提示して、会社や経営者の事例研究(case study)を利用することで、有効性を検証してみたい。企業は、経営組織を通じて経営資源(ヒト、モノ、カネ、技術、情報)を効率よく配分して、社会に対して財・サーヴィスを提供するという事業目的を達成する。このプロセスを司るのが経営者であるが、統一的なマネジメントとガヴァナンスの下に遂行されている点に留意する必要がある。経営組織内部の職能間の調整に加えて、企業間の所有と支配にも注意を向けねばならない。秋学期開講のIIでは、コーポリット・ガヴァナンスの国による差異、財閥や企業集団の形成の論理、80年代に話題を呼んだ日本的経営論、生産システムのビジネス・モデル、イノヴェーションとR&Dなどの論点に着目して講義を進める。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ○国により異なる企業統治者の違いを比較して、日本的経営の特徴を考える。
 ○企業支配の具体的な手段やメカニズムについて把握する。
 ○生産マネジメントをめぐるビジネス・モデルの発展について理解を深める。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業時の小テストと期末筆記試験による。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 特定の教科書を使用せずに、パワーポイントで講義する。ノートを取りながら、一緒に考えて下さい。参考文献としては、以下のものを挙げますが、講義でも適宜紹介します。
 A.D.チャンドラー『経営者の時代』上下(東洋経済新報社)
 同『競争の戦略』(ダイヤモンド社)
 奥村宏『法人資本主義』(岩波現代文庫)
 橘川武郎『日本の企業集団』(有斐閣)
 大野耐一『トヨタ生産方式』(ダイヤモンド社)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 講義で紹介する参考文献を読書してみて下さい。講義の理解が深まります。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 授業への出席と参加は、不可欠です。また、担当教員が収集したヴィデオ教材も講義で活用します。オフィス・アワー時(講義終了後を予定)の研究室訪問を歓迎します。積極的に利用して下さい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 講義の狙いや意義、参考文献の紹介、学習へのアドヴァイス等について
【第2回】
 経営者と企業倫理
【第3回】
 ビジネス・スクール
【第4回】
 企業は誰のものか(米国・ドイツ・日本)
【第5回】
 企業は誰のものか(バーリィ=ミーンズ)
【第6回】
 企業の所有と支配(財閥の形成)
【第7回】
 企業の所有と支配(財閥の発展)
【第8回】
 企業集団の誕生(系列と企業ネットワーク)
【第9回】
 法人資本主義の構造
【第10回】
 日本的経営
【第11回】
 自動車産業のビジネス・モデル 1(フォードとGM)
【第12回】
 自動車産業のビジネス・モデル 2(トヨタ生産方式)
【第13回】
 自動車産業のビジネス・モデル 3(世界の自動車産業)
【第14回】
 イノヴェーションとR&D
【第15回】
 講義のまとめ