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授業の内容(Course Description) |
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製造業(メーカー)では,財務諸表を作成するために,製品を製造するときに発生したコストを計算し,簿記の帳簿システムを通じて記録します。前者のコストの計算は原価計算の役割であり,後者の帳簿への記録が工業簿記の役割になります。このように,工業簿記と財務諸表作成目的の原価計算は表裏一体の関係にあり,本講義では両者を同時に学習します。具体的には,材料費・労務費・経費に関する費目別計算と製造間接費の部門別計算,さらに個別原価計算までを学習範囲とします。 なお,企業では単に製品の製造原価を計算するだけではなく,計算された原価データに基づいて,原価の引き下げを行うなどの改善活動を実施します。さらに,価格を決定するためには,製品1単位あたりの製造原価を知る必要もあります。このように,工業簿記を理解することは,企業経営の理解にとって必須であると言えます。本講義では,単に製品原価の計算方法や記帳方法を学習するだけではなく,計算された原価情報をどのように経営に役立てるのかについても説明します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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工業簿記の体系と仕訳を理解し,日商簿記検定2級レベルを到達目標とします。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験結果80%,授業への出席状況20%で成績を評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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園田智昭・横田絵理『原価・管理会計入門』中央経済社
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業は教科書の内容にそって説明しますので,次回の範囲(毎回5ページぐらい)を予習してきてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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工業簿記の基礎的な知識を身につけたいと考えている学生を,授業の履修者として考えています。したがって,応用的な部分は取り扱わず,基礎的な内容を中心に説明する予定です。また,計算演習も行いますので,授業には電卓を必ず持参してください。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 商業簿記と工業簿記の違いと関係性について学習します。 【第2回】~【第4回】 工業簿記の体系について学習します。 【第5回】~【第7回】 材料費の計算・記帳方法と管理方法について学習します。 【第8回】 労務費と経費の計算・記帳方法と管理方法について学習します。 【第9回】・【第10回】 製造間接費を製品に一括配賦する方法について,計算・記帳方法を学習します。 【第11回】 個別受注品に適用される個別原価計算について,計算・記帳方法を学習します。 【第12回】~【第14回】 製造間接費を部門別に計算してから製品に配賦する方法について,計算・記帳方法を学習します。 【第15回】 これまでの学習の総まとめとして,工業簿記の体系について整理します。
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