Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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教育課程論(中・高) 三石 初雄
教職  2単位
【教職】 14-1-1331-3779-21A

1. 授業の内容(Course Description)

 教育課程は、学校の教育活動を実施する上での基本となる教育計画とその実施状況を踏まえた再編成の過程を含んでいる。教育課程の編成・実施に関する基礎理論と各学校における編成・実施の実際を理解する。
 また、教育課程が社会情勢や国の教育政策によって変遷することを学ぶとともに、各学校及び生徒にとって望ましい教育課程とは何かを考えていきたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

(1)学校における教育活動が教育課程に基づいて実施されていることを理解する。
(2)教育課程の編成・実施・評価の過程及び手順について理解する。
(3)学校の課題や生徒の実態に即した教育活動のための教育課程について考える。
(4)教育課程の編成・実施上の今日的な課題について考える。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業への参加状況と授業内レポート等(50%)、期末試験の成績(50%)を総合的に評価する

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

テキスト
 特にありませんが、授業中の資料と授業中に紹介するいくつかの本(『新しい時代の教育課程』(三訂版 有斐閣)が中心です。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

・受講生が受けてきた学校教育課程の実際を想い出し、記述しながら、それらを相対化客体化しながら、教育課程の理論と実際を学びます。特に、受講生が受けてきた「生活科、総合的学習の時間」について、情報収集を行い、授業において意見交換し、レポートをまとめます。
・授業の流れは、自分たちの受けた学校教育から、親の受けた学校教育へと遡る形で展開する予定です。
・教育課程にかかわる基本的な教育用語に関する小テストを時に行います。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

・学校教育課程について、各自の被教育体験を題材にします。小・中・高等学校のときの教科書やノート等を引っ張り出しておいてほしいと思います。最終レポート・テーマは、「私たちから見た学校教育課程を、こう考える」です。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
 ―「自分にとっての学校」イメージから、日本現代学校の特徴を考えるー
 ・現代の学校教育活動と日本の「学校」「教員養成」
【第2回】
 教育課程から見た近代学校の特徴
 (明治「学制」に盛り込まれた科目・領域等の構成の特質)
【第3回】
 近年の教育改革と教育課程の変遷
 (受講生に残っている学校教育課程の特徴・・・200字レポートを書いて提出)
【第4回】
 現代の学校教育課程の特質を探る(半世紀に在るかないかの大改革)
 (戦後の教育課程改訂の大サイクルと世界的動向)
【第5回】
 自分たちの受けてきた学校教育課程の特質を探る 1
 (1977年告示版学習指導要領以降の教育課程と「自分と学校の出来事」の年譜を創り、提出)
【第6回】
 自分たちの受けてきた学校教育課程の特質を探る 2
 (「生活科」特設の背景・特質・課題を考える)
【第7回】
 自分たちの受けてきた学校教育課程の特質を探る 3
 (「総合的学習」特設、「選択教科増加」の背景・特質・課題を探る)
【第8回】
 提出レポート「自分と学校の出来事」の検討を通して、「私たちから見た学校教育課程」について考える。それを元に、500字以上のレポートを作成、提出。
【第9回】
 「新しい学力」観提起の背景と・特質・課題を探る
 (「基礎・基本」と「高次精神活動」の要請、教育評価の困難性という新しい課題)
【第10回】
 自分たちの受けてきた学校教育課程の特質を探る 4
 (2008年告示学習指導要領での「基礎学力」強調論の背景・特質・課題を考える)
【第11回】
 提出レポート「私たちから見た学校教育課程」を元に、学校教育課程の改訂の意味と課題について考える。
【第12回】
 親の世代が学んできた教育課程・教育内容・方法を探る 1
 (戦後直後の学校教育課程の特徴・課題)
【第13回】
 親の世代が学んできた教育課程・教育内容・方法を探る 2
 (「教育の現代化」の学校教育課程の特徴・課題)
【第14回】
 東アジア地域の学校教育課程の変遷から考える
 (中国と韓国の学校教育課程の特徴)
【第15回】
 自分たちにとっての「ゆとりの教育」の意味と課題を考える。そして、その課題克服の視点について、意見交換する。それらの意見交換を踏まえて、最終レポート(2000字に取り組み、提出する)