Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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授業研究論 サルカール アラニ・モハメッド レザ
選択必修  2単位
【初等教育】 14-1-1333-3231-15A

1. 授業の内容(Course Description)

 受講者は、校内研修としての「授業研究」の前後の授業において、教師の授業展開がどのように変化するかを多角的な視点から習得する。また、授業の質がどのように改善されたのかを、実際の教師の授業実践(さまざまな教科の事例)をビデオ等で観察し、その事例を通して教師の学び・成長について考察する。さらに、授業研究の役割・教師の資質向上・授業改善の過程などについて自分なりに理解を深める。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①校内研修としての「授業研究」の過程、授業研究と教師の学習(実践から学ぶ)に関する基礎概念や知識と方法について習得する。②実際の授業研究に必要なスキルを獲得する。③日本の学校文化としての授業研究について自分なりに理解を深める。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 ①授業で課すレポート(30%)―習得―、②授業中のペア学習・グループ学習の活動、探究学習報告、発表など(30%)―検討・獲得―、③最終レポート(40%)―理解を深める―で評価する。合計100点満点で60点以上を合格とする。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 特にありません。毎回の授業でレジュメを配布する。授業中に適時、指示する。
 参考文献:
  Sarkar Arani, M.R.; Tomita,F.; Matoba,M.; Saito,E. and Lassegard, J.P.(2012). Teachers' Classroom-based Research: How it Impacts their Professional Development in Japan, Journal of Curriculum Perspectives, Australian Curriculum Studies Association, Vol.32, No.3, pp.25-36.
  Sarkar Arani, M. R., Fukaya, K. and Lassegard, J.P.(2010)Lesson Study as Professional Culture in Japanese Schools: An Historical Perspective on Elementary Classroom Practices, Japan Review, Vol.22, pp.171-200.
  秋田 喜代美・キャサリン ルイス(2008)『授業の研究 教師の学習』明石書店。
  サルカールアラニ・モハメッドレザ(2007)『国境を越えた日本の学校文化』国際日本文化研究センター。
  Matoba M., Crawford, K., and Sarkar Arani,M.R. (eds.) (2006) Lesson Study: International Perspective on Policy and Practice, Beijing: Educational Science Publishing House.

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 配布した資料を読んで自分なりの考え・意見・感想などをもち、それらを基に授業中で話し会いの活性化なるための努力・協力すること。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 これまで学んできたこと・体験してきたことを基に、学校教育や学校生活についての知識を再構築してほしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
 本授業において習得する授業研究の理論・実践と重要性について学ぶとともに、授業の方針と授業の進め方を理解する。
【第2回】
 教師の成長を中心にした教師教育論について基礎知識を理解し、人間の成長と発達という視点から考察することができる。
【第3回】
 教員養成教育と現職教育の目的・機能に関する基本的な知識を習得する。
【第4回】
 教師の資質向上に対する現職教育・校内研修の効果的なタイプを検討する。
【第5回】
 校内研修としての授業研究モデルの基礎知識・技術について理解する。
【第6回】
 教師の教育実践の改善に対する「授業研究」のさまざまな方法や教師の学び合いの取り組みについて学ぶ。
【第7回】
 実践者の授業研究と研究者の授業研究の目的とその関係を考察し、共同研究としての授業研究の理論的・実践的関係に関してまとめることができる。
【第8回】
 教師同士の学び合いを検討し、学習する相識としての学校の概念を習得する。
【第9回】
 学習する学校の理論をもとに、教師の経験や環境の変化に対応して、自ら新たな知識・技術・行動・思考・胎動の獲得について考察する。
【第10回】
 リーダーシップの意義と概念について、学校文化の視点から考察する。また、学校改革のリーダーシップと授業研究の討論に関してまとめることができる。
【第11回】
 小学校・中学校における授業研究・授業分析方法の手順と調査技法を習得する。
【第12回】
 高等学校における授業研究・授業分析方法の手順と調査技法を習得する。
【第13回】
 世界における日本の授業研究(Lesson Study)の動向と挑戦を考察し、アジアやアメリカにおける授業研究の基礎的な姿勢と知識を理解する。
【第14回】
 日本の学校教育の挑戦、課題と展望について考察し、世界からみる日本の教育実践の質と教師の資質と授業研究の役割について自分の考えを発表することができる。
【第15回】
 日本の学校文化・教師文化と授業研究の研究、期待、在り方、問題などについて自分の考えをまとめ発表することができる。そしてこれらをもとに本授業の総括をする。
 「注」:内容は、講義の進度や受講者の希望・状態によって、予定を変更することがあります。