Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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教育方法論 サルカール アラニ・モハメッド レザ
選択必修  2単位
【こども教育】 14-1-1333-3231-18A

1. 授業の内容(Course Description)

 受講生は、教育実践のために必要な教育の方法および技術の知識・技能について理論的・実践的に考察する。
 そのために本授業では、小・中学校・高等学校のさまざまな教科の授業実践の事例を基にさまざまな授業展開や教授方法に関する知見が実際にどのように活用できるかを解明する。その結果、授業の質がどのように改善されるのかを、授業研究過程を通して実際の教師の授業実践(事例)をビデオ等で観察し、その事例を通して実際の授業場面の改善・工夫の様相と特徴・特色を考察する。授業方法の特徴としては、具体的な実践の事例を基に個人の考察、ペア学習・グループ学習を行い、全体討論や個人の発表の機会を通してさまざまな考えやイデアを交換し、教育方法について理解を深める。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①教師として必要な授業実践の方法や技術とその内容に関する基礎的知識を習得する。②授業研究の過程、基礎概念や知識を習得するとともに、実際の授業づくりに必要なスキルを獲得する。③学習課題に対する授業の準備(教材研究・指導案作成など)、授業の過程(指導、発問、討論、学び合いなど)、授業後の生徒へのフィードバックなどを具体的に理解し、授業実践に関して自分なりに考察を深める。④教育技術の基本であるプレゼンテーションの実習をともなう学習を行う。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 ①授業で課すレポート(30%)―習得―、②授業中のペア学習・グループ学習の活動、探究学習報告、発表など(30%)―獲得―、③最終レポート(40%)―考察―で評価する。合計100点満点で60点以上を合格とする。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 特にありません。毎回の授業でレジュメを配布する。授業中に適時、指示する。
 参考文献:
  的場正美・柴田好章 編著(2013)『授業研究と授業の創造』渓水社。
  サルカール アラニ モハメッド レザ(2011)「The 'DNA' of Teaching-「正の数・負の数」の比較授業分析の事例を中心に-」『考える子ども』第334号24-29頁。
  サルカール アラニ モハメッド レザ(2011)「数学教育における授業観の質的変化-「正の数・負の数」のティーチング・スクリプトの比較授業分析を通して-」『中等教育研究部紀要 学校法人名古屋石田学園』第3巻5-42頁。
  サルカール アラニ モハメッド レザ(2010)「子どもの発想をいかした授業―イランにおける算数教育の授業研究の実施―」『考える子ども』第328号、42-52頁。
  佐藤学(2010)『教育の方法』左右社。
  日比裕・的場正美 編著(1999)『授業分析の方法と課題』黎明書房。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 配布した資料を読んで自分なりの考え・意見・感想などをもち、それらを基に授業中で話し会いの活性化なるための努力・協力すること。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 これまで学んできたこと・体験してきたことを基に、学校教育や学校生活についての知識を再構築してほしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
 本授業の目的、および授業全体の構造について明確に説明し、そのための具体的な授業の方法・取り組みなどを理解する。
【第2回】
 講義法、協同学習、問題解決学習、学び合いなど教師の教育実践の方法に関するさまざまな方法とその特徴および理論的背景について学習する。
【第3回】
 各受講者にとって「受けてみたい授業」という、学習者の視点から授業の特徴・特色を明らかにし、「子ども・生徒の心に残る授業実践」の特質、すなわちよい授業の特徴と条件について論じる。また教育技術の基本であるプレゼンテーション技能について学習する。
【第4回】
 各受講者が「授業づくり」について書いたこともとに授業過程のデザインに必要な視点を整理し、その視点の関連および全体構想を把握する。そこで教授-学習過程を通して学ぶということについて自ら新たな知識・技術・行動・思考・態度の獲得の深化を図る。
【第5回】
 教師の授業観における授業の構造と組み立てかたについて論じる。現場の具体的な授業実践の事例(教材研究)をもとに授業展開の準備に必要な要件について考察する。
【第6回】
 授業実践の事例をもとに授業展開に関する学習指導案の作成の様式と学習目標・内容・課題の設定について論じる。
【第7回】
 効果的な授業づくりのために、カルテや座席表など生徒の理解のためのデータベース作成の仕方について論じる。実践事例をもとに一人ひとりの生徒を大切するための準備と具体的な技術を考察する。
【第8回】
 生徒の学習意欲を高めるための教師のリーダーシップについて討論し、具体的に1時間の授業の流れでどのような取り組みが必要であるかを論じる。また、教師の教授技術(板書、発問、反論、説明、個人指導、小集団グループ学習設定など)について考察を深める。
【第9回】
 よりよい授業展開ができるために、日本の小・中学校と高等学校にける授業研究について論じる。実践事例・歴史的な資料をもとに1時間の授業過程を詳細に検討し、教育方法の面から考察する。
【第10回】
 授業改善のもっとも重要な取り組みとして日本型の授業分析方法の手順と技法について学習する。
【第11回】
 授業評価のあり方についての重要な視点や教師が生徒にフィードバックする手法について学ぶ。特に生徒の学習活動、復習・練習ノート、調べ学習、探究学習などについての具体的な例を基に教師の評価・フィードバックについて考察する。
【第12回】
 ある特定の教師の授業実践の音声記録やビデオ記録や文字記録をもとに具体的な場面を取り上げて、受講者が教育方法について考えたことや発見したことを発表し合い、その討論をもとに授業改善の方法(改善のノウハウ)について考察する。
【第13回】
 効果的な授業づくりの方法や授業改善の視点に照らして、授業の音声記録や文字記録をどの観点から撮るのか・見るのか・作るのか・読むのか、その価値がどこにあるのかを考察し、教育方法の研究の視点から学ぶ。
【第14回】
 世界における教育方法の課題と展望と日本の動向と挑戦を考察し、具体的な取り組みとしての日本型の授業研究の基本的姿勢と知識について学習する。
【第15回】
 現在社会における教育方法の課題について受講者自ら考え、発見した課題をお互いに実践的側面と理論的側面から検討する。そしてこれらをもとに本授業の総括と反省会と意見交換を行う。
 「注」:内容は、講義の進度や受講者の希望・状態によって、予定を変更することがあります。