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授業の内容(Course Description) |
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日常生活において意識することなくつかっている日本語をひとつの言語としてとらえなおすことを出発点とし、国語教育と日本語教育のちがいをおさえ、教育全般にたずさわる者が心えておかなければならない日本語教育の基礎知識を身につける。その上で、日本語を母語としない人々に日本語をおしえることが主目的だった日本語教育が、時代のニーズとともに変化してきた経過をまなぶ。以上をふまえ、現在、日本語を母語とする人とそうでない人がたがいに理解をふかめ多文化社会を構築するための手段としてもとめられる日本語教育、くわえて、外国につながる子ども(=日本国籍の有無にかかわらず、複数の「文化」を移動する子ども)の教育はどうあるべきかを考察していく。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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(1)日頃無意識に使用している日本語を、意識化してとらえなおすことができる。 (2)日本にすむ外国にルーツをもつ人々の現状と課題をしり、彼らとどのようにコミュニケーションしていったらよいかかんがえ、積極的に実践することができる。 (3)日本にすむ外国にルーツをもつ人々の教育・支援について、把握する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(授業へのとりくみ・課題提出)30%、期末試験(テストまたはレポート)70%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献: 庵功他『やさしい日本語のしくみ』くろしお出版 山田敏弘『日本語のしくみ』白水社 柴田武他『ことばの意味1~3』平凡社ライブラリー 松本修『全国アホ・バカ分布考』新潮文庫 井上史雄『日本語ウォッチング』岩波新書 「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会『まんがクラスメイトは外国人』明石書店
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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参考文献、授業中適宜紹介する文献をかならずよむこと
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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(1)課題やコメントについては、熟考してとりくみ、表現形式にも留意してください。 (2)日本語をひとつの言語としてとらえなおすことで、日本語のおもしろさを十分に味わってください。 (3)どうやったら、自分のかんがえや意見が人-日本語が母語である人・日本語が母語ではない人-につたわるか、一生懸命かんがえて、いろんな人とコミュニケーションするたのしさを経験してください。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 受講にあたっての諸注意。 現代社会にもとめられる日本語と日本語教育について概観する 【第2回】 日本語教育1 学校型日本語教育と地域型日本語教育その1 【第3回】 日本語教育2 学校型日本語教育と地域型日本語教育その2 【第4回】 日本語教育3 学校型日本語教育と地域型日本語教育その3 【第5回】 やさしい日本語−つたわる日本語 【第6回】 日本語教育と国語教育、母語と第二言語、文化の問題 【第7回】 世界の中の日本語1 「ら抜きことば」について 【第8回】 世界の中の日本語2 格助詞 【第9回】 世界の中の日本語3 類義語 【第10回】 世界の中の日本語4 方言と新方言 【第11回】 世界の中の日本語5 現代敬語の特徴 【第12回】 外国につながる子どもの教育その1 【第13回】 外国につながる子どもの教育その2 【第14回】 学校文化と教育 【第15回】 まとめ
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