Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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社会福祉学 II 三重野 卓
選択  2単位
【こども教育】 14-1-1350-3251-20A

1. 授業の内容(Course Description)

 後期では、福祉への社会学的アプローチの現状について、最新のトピックスに焦点を合わせて検討することにする。具体的には、Ⅰ.福祉社会学の枠組みとして、(1)福祉社会学の原理と構想、(2)福祉社会学へのさまざまなアプローチ、(3)福祉社会学の方法(量的方法、質的方法)、Ⅱ.福祉社会学の諸領域として、(1)ミクロからマクロへ、(2)ライフコース、Ⅲ.福祉政策と実践として、(1)福祉政策の原理と政策基準、(2)ケアと福祉実践、について、検討を加える。こうした試みは、福祉社会学の確立を目指すものであり、理論、実証、政策科学(規範科学)の体系化、さらに、政策のみならず、実践にも着目するものである。
 本講義により、福祉研究の最前線の一端を示すことにしたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①福祉への社会学的アプローチについて理解すること。
 ②社会の一員として、福祉を考える視点を持つようにすること。
 ③とりわけ、ケアと政策の在り方について理解を深めること。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 成績評価は、テスト(80%)、授業参加状況(20%)による。テストでは、ノート、テキスト、配布資料を持ち込み可とする。評価においては、授業の内容を如何に理解しているか、問題関心を深めているか、という点を重視する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは、福祉社会学会編『福祉社会学ハンドブック』中央法規、2013。参考文献としては、椋野美智子、田中耕太郎『はじめての社会保障:福祉を学ぶ人へ(最新版)』有斐閣、2014。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 最初の時間に、詳細な授業の方針を示す。各自、それに基づき、福祉についての情報に関心を持って欲しい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 新聞、雑誌、インターネットなどを通して、福祉の観点から、現代社会に興味を持って欲しい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 〈イントロダクション〉 授業のアウトラインを提示する。 
【第2回】
 〈福祉社会学の原理と構想〉 福祉社会学の現状について述べ、福祉レジーム、グローバル化などとの関連で検討を加える。
【第3回】
 〈福祉社会学へのさまざまなアプローチⅠ〉 シティズンシップの展開、ジェンダー・アプローチの可能性などについて解説する。
【第4回】
 〈福祉社会学へのさまざまなアプローチⅡ〉 生活モデルの考え方、障害学などについて、解説する。
【第5回】
 〈福祉社会学の方法〉 量的方法と質的方法について、検討する。
【第6回】
 〈ミクロからマクロへⅠ〉 個人・家族の福祉問題、福祉NPOなどの組織について、検討を加える。
【第7回】
 〈ミクロからマクロへⅡ〉 地方分権、その福祉国家、福祉社会との関係について、明らかにする。
【第8回】
 〈ライフコースⅠ〉 誕生・出産から子供の福祉、青少年をめぐる状況について、明らかにする。
【第9回】
 〈ライフコースⅡ〉 女性の就労問題、ワークフェアへの着目、高齢者の福祉問題などについて、検討する。
【第10回】
 〈不平等、差別、階層、貧困〉 セーフティネットの再構築、ワーキングプアの諸問題などについて、言及する。
【第11回】
 〈福祉政策の原理と政策基準Ⅰ〉 計画化、負担問題、ベーシック・インカムなどについて、検討する。
【第12回】
 〈福祉政策の原理と政策基準Ⅱ〉ノーマライゼーション、自立支援などについて、検討する。
【第13回】
 〈ケアと福祉実践Ⅰ〉 キュアとケアの関係、インフォーマル・ケアとフォーマル・ケアの関係について、明らかにする。
【第14回】
 〈ケアと福祉実践Ⅱ〉 ケア労働はどういうものか、ケアの負担感はどういう時に増加するか、明らかにする。
【第15回】
 〈まとめ〉